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北の離れ 2006

古書店主が綴る日常雑記 古本屋な日々...  profile

・11月29日 ツキノワグマ 2
・11月6日 Glaucoma
・10月2日 国立駅舎
・10月1日 現の証拠
・9月1日 藪茗荷
・8月5日 大豆
・7月12日 Missile
・6月18日 飛行機乗った事無いけれど...
・4月17日 Dugon dugon・儒艮・犀魚
・4月12日 胃がん検診
・3月21日 HST
・2月28日 寒椿
・1月24日 温暖化・寒冷化-温暖化の本質
・1月1日 賀正


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'06 11/29 ツキノワグマ 2 ('06 12/18・'07 4/27追記)
 人的或いは農作物への被害の増加により、10月末までの件数ですが、全国で、ツキノワグマ4017頭が捕獲され、3655頭が捕殺されています。日本国内(本州・四国。九州では既に絶滅、四国も絶滅寸前と考えられている)のツキノワグマの生息数は、8000〜13000頭ほどと考えられているので、捕殺数は、(このデータを信ずる限りにおいてですが)生息数全体の30〜40%にも達する数となっています。また、深刻な人的被害は、此方も10月末までのデータですが、死者3人、負傷者111人にものぼり、被害の多かった04年度を上回ってしまいました(人が山に入っての事故も含まれる)。
 どうしてこうも、同じような事、人にとってもクマにとっても不幸な事が繰り返されるのか? よく言われるのは、クマの食物となる団栗等が、天候不良や隔年結果(木の実等が一年おきに豊作不作を繰り返すこと。豊作の翌年は木が疲れている為不作となると一般に考えられている。クマ被害の多かった04年は不作、被害の少なかった05年は豊作、そして今年は不作)の為数が少なく、為に里へ食料を求めて降りてくる、事が、短期的な原因として考えられています。長期的な原因としては、開発・伐採等で本来の生息域(奥山)が破壊或いは分断され、面積や樹種が減り木の実の豊凶の影響を受け易くなっている等が考えられています(構成樹種が多ければ、全ての樹が不作となることは少なくなる)。また、クマ自身の変化、所謂「新世代グマ」と呼ばれるものの出現も言われています。山村の過疎化等により、人間を怖れない、或いは気に掛けないクマが「新世代グマ」で、里に人気(或いは犬気)が無い、農作物や果樹(柿など)が放置されている、「山」と「里」の間の「里山」に人が入らなくなった為藪が茂り、里に近づき易くなった、等の、云わば人間側の変化が生み出したと言えないことも無いクマ側の変化が顕著とも言われています。
 クマによる被害を減らすには、生息域(天然林(この場合木の実をつける落葉広葉樹林))の保護或いは再生、また里山の再生・管理、利用されなくなった果樹の伐採、生ごみの管理徹底等々が、必要と言われています。個人的には、クマ出没現場或いは地域に、野生動物の専門職の方が不在の場合が殆どであることも問題と思います。常日頃、担当区域をパトロールし、また地域の野生生物の調査・研究をしつつ(或いは専門研究機関と緊密に連携・連絡をとりつつ)、地元の方々との間にもコミュニケーションをとり、野生生物保護への理解を求め、被害防止法等を広め、いざクマ出没となれば、現場に駆けつけ、状況に応じた判断・処置を行う、ある程度の法的権限も持つ「森林野生生物保護管理官」とでも呼べるような存在がない事も、クマ(サル・シカ・イノシシ等も含め)被害の減らない原因、又、出没=捕殺となり易い原因の一つなのでは、とも思いますが。
 「クマがいなくなれば被害もなくなるでしょう」、或いは「人に直接危害を加えないマングースやアライグマは駆除するのになんでクマは駆除を進めないの」とお考えの場合もあるのでしょう。クマは日本の森林生態系の頂点にいる存在(草食性が強いので食物連鎖では必ずしも頂点ではない)です。クマが絶滅すれば、森林生態系はバランスを失い、新たな問題、他の野生動物による被害の増加などという事が起こることもあるかもしれません。人間がニホンオオカミ(或いはエゾオオカミ)を絶滅させたことが、ニホンジカ(或いはエゾシカ)による農林業への被害増加の一因(他にも要因はクマ同様多々あり複合的です)となった例もあります。また、クマの様な大型の野生動物が棲めるということは、日本の森林生態系が、それだけ豊かであることの証明です。クマの保護は、その豊かな生態系全体の保護、という側面もあるのです。マングースやアライグマなどを駆除の対象とするのに、人の生命に危害を与える場合もあるクマを駆除対象としないのも、この生態系の保護が考えられている為です。マングース等は本来日本には生息しない、人間が意図的或いは非意図的に持ち込んだ外来の生物であり、在来の生物に影響を与え生態系を乱すことが懸念される為、(彼らには何の罪も無いのですが)駆除の対象とされ、クマは本来日本の在来生物で、その絶滅・減少は、日本の自然生態系の破壊・衰退に大きく影響すると、考えられている為です。別にクマの方がヒトより大事、等という事では、全くないのです(生態系と言うレベルで見ればどちらも同じ構成員)。
 被害を与えたクマを捕殺しても、人間或いは人里の怖さを知ったクマは、其処で存在しなくなってしまい、山には人間或いは里の怖さを知らないクマが残る訳で、同じことの繰り返しです。基本は矢張り、「学習放獣(捕らえて唐辛子スプレー等のお仕置きをして山に放す)」が望ましいように思います。勿論これがベストとは言い切れません。人間と同じでちっとも懲りない個体(あぁ耳が痛い...)もいますから...。里への出没を繰り返す場合等、捕殺処分もやむを得ない場合もあると思います。ただ、学習放獣するには、個体識別、発信機による行動把握、また地元の方々或いは山の所有者の方々の理解が絶対的に必要です。捕殺を判断するにも個体識別、出没データなどが必要です。これらのことは、矢張り都道府県単位に、野生生物の専門職・専門部署の存在が必要だと思います。
 「住んでみれば分かる。クマとの共存なんか無理だ」と言う、ニュース映像に映った、クマによる人身事故の起きた地域の住民の方の言葉は、クマのいない地域に住む私には、とても重く響きますが、行政も市民も日本人全体で、クマも含む、日本の自然環境を日常の中で、「自分」の問題として考えなければならないのだと思います。「自分」は環境の一部として存在している訳ですから、或る意味環境と「自分」は一体です。環境について考えるのは「自分」についてあれこれ考えるのと同じと言っても過言ではない、かもしれない。
 山梨・栃木・山形・岩手・長野・岐阜など、駆除数が県の定める年間捕殺数をすでに超えてしまった自治体等では、狩猟期間(11/15〜2/15)中の狩猟自粛を要請しています(里出没の場合は従前通りの対応を続ける)。富山のように、猟友会から県へ自粛を申し入れた例もあるようです。クマの出没件数が増えたとは言い、出没は上記のような複合的原因によるもので、必ずしも個体数の増加によるものとは言えないとの研究者の方の意見、或いは栃木の或る猟師さんの「年々(クマの)数が減っているのを実感する」と言う言もあるようです。
 クマ猟自粛は、被害の出た地域の住民の方からは不安意見も当然あると思います。しかし、山形のように捕殺数が推定生息数の40%を超えている地域もあり(捕殺数604、推定生息数≒1500(10月末現在))、今季においては、この捕殺数の多さを見ると、致し方ないのかな、とも思われます。自粛をするにしろしないにしろ、又住民の方々の不安を払い理解を得、被害防止・防除を進める為にも、矢張りまず必要なのはクマ(或いは野生動物)の生態・行動・生息数等の正確な科学的データの把握と、地域社会への理解で、各地域ごとの野生生物専門部署設置、専門職人材育成を、是非とも進めて頂きたいと思います。

12/18追記:4月〜11月末までの捕獲数4737頭。内殺処分4250頭で、捕獲数の≒90%、推定生息数の30〜50%となりました。またクマによる人的被害は、同じ期間で、死者3人、負傷者136人となりました。何れの数字も過去最多(捕獲数を除く)であった’04年度を上回っています。因(ちな)みに’04年度の数字は、捕獲数2546頭(’05年度1175頭)、殺処分2326頭(捕獲数の≒91%)(’05年度1101頭)、死者2人、負傷者111人。
(数字は読売新聞他データ)

'07 4/27追記:環境省により、’06年度全国で捕獲されたクマの総数が発表されました。以下のようになります。
ツキノワグマ:捕獲数4846頭 ヒグマ:捕獲数339頭
で、総数5185頭の内≒90%の4679頭が殺処分された。過去最高だった’04年度(捕獲2546頭、殺処分2326頭)の≒2倍の数です。
人身被害は、144件。総数150人、内死亡5人で、此方も過去最高となってしまいました。

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*ツキノワグマ:VespertilioSuperans 食肉目クマ科 正確には「ニホンツキノワグマ」で、東アジアに広く生息するヒマラヤグマの一亜種。ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保護に関する条約)で商取引が禁じられているが、日本国内では、下北半島・紀伊半島・西中国地域・東中国地域・四国山地・九州地方等減少地域個体群を除き保護対象とはなっていない。雑食性だが、可也植物食に偏っている
*生息数:残念ながら科学的には必ずしも明確に把握されてはいない。因みに北海道に棲むヒグマは≒2000頭と言われている
*落葉広葉樹林:北半球ではブナ・ナラ・ミズナラ・カンバ・シデ・カエデ類等によって構成される森林。本州中部では標高800〜1600mに分布。ブナ・ミズナラ等による森林にはクマが利用できる実をつける樹は31〜38%あるが、人工林(スギ・ヒノキ等)では4〜6%程に過ぎないとのデータもあります。全国の森林の≒40%は人工林
*学習放獣:罠あるいは麻酔銃で捕獲し、山に放す方法。放すときに唐辛子スプレー等を噴射したり、犬(特別に訓練されたベア・ドッグ)に追わせたり、爆竹を鳴らしたり等し、里に出た事と厭な経験をリンクさせ、里は厭なところ、人間は怖い物と言った印象を与える。母グマが人や里を怖れれば仔グマも里へは近づかなくなる事も期待できる。栃木などは捕獲の場合原則2回まで学習放獣を行うとしている。富山では今年度126頭が捕獲され、16頭が奥山放獣された(10/27現在)。その他学習放獣数は、長野109、福井82、岩手20、岐阜16となっている
*捕殺数と推定生息数:栃木の場合、推定生息数180〜495頭に対し、今年度捕殺数79頭(過去最高レベルとか)で、捕殺数は全体の≒16〜44%になる(11/10現在)。長野の場合、推定生息数1300〜2500頭に対し、今年度捕殺数232頭で、捕殺数は全体の≒9〜18%(9/25現在)。山梨は、推定生息数400頭に対し、今年度捕殺数65頭で、捕殺数は全体の≒16%(10/30現在)
*生態系:"Ecosystem"の訳で、文字通り一つのシステムを表すものです。様々な生物と、大気・水・土壌等の無機的環境の中を、物質やエナジーが様々に形を変えて循環して行く一つのシステム=系として自然をとらえたもの。我々が「自然」と 呼んでいるものの、極々本質的な部分を指したものと言えるかもしれません。当然ながらヒトもこのシステムの一部
(数値等、各種サイトや新聞(読売・朝日・毎日・東京・産経・中日他)記事を参考とさせて頂きました)
関連記事:ツキノワグマ 生態系

'06 11/6 Glaucoma
 グラウコーマ―緑内障。古代ギリシャのヒポクラテスが、「目がエーゲ海のような青緑色となり、やがて失明に至る」と、記述したところから命名されたとされる、目の病気。何らかの原因により、視神経に障害が起こり、視野が狭まる(視野狭窄)もの。現在も失明原因の、上位を占める存在です。眼圧(がんあつ)の上昇が大きな要因の一つとされています。
 角膜(眼球の一番外側を覆う透明な膜)と水晶体(レンズ)との間にある「眼房(がんぼう。前後二つに分かれる)」を満たしている液体を「房水(ぼうすい)」と呼び、これが血液のように、酸素・二酸化炭素や栄養分を運んでいます。そしてまた、この房水の圧力によって、眼球の形状が保たれています。この房水の圧力が「眼圧」なのです。
 通常、眼圧は、房水の生産と排出のバランスがとられ、一定の範囲(10〜21mmHg)に保たれますが、房水の排出が何らかの原因により妨げられ、眼圧が上昇し、視神経が圧迫され、次第に視野の障害が進行する...と言うのが、緑内障の一般的メカニズムとされているようです(眼圧が正常の場合も多い)。
 少し前、この緑内障の検査をしました。暫く前から、左目の目頭寄りの上部に、何やら薄い黒いベールが懸かっているように見え、気になっていました。しかし、この黒いベール、完全に視野を隠している訳でなく、向こう側は、ちゃんと見えるのです。為に、気のせいか...?とも思えたのですが、右目と比較すると、明らかに異なる。右目は非常にクリア。で、費用がヒジョ〜に気になったのですが、そんな事を言ってもいられないので、近所の病院へ行きました。
 まずは、一般的な視力検査。左1.2・右1.5(前より良くなってる...。何故?...)。次に眼球に空気を吹きつけ、角膜の変形度を測定する、眼圧検査。眼球に空気を吹き付けられる等、経験が無いので、ちょっと変な感じですね。思わず目を閉じてしまいますが、閉じたときは既に空気が吹きつけられた後なので、OK。次に眼底検査。これは、散瞳剤(瞳孔を開かせる目薬)を点眼後、強烈な光を目の直前から当て、目の内部、視神経を直接観察して異常の有無を診るもの。これが、眩しい...。左右の目夫々、右を見たり上を見たり斜め下を見たり等をこの強烈な光を照射されつつ行う。こちらも大変ですが、お医者さんの方も、これは根気の要る大変な作業だな...と思いました...。この検査後は、半日くらいピントが合わない状態が続くので、自転車も乗るのは危険。瞳孔が開きっぱなしなので、屋外は辛い。夕方でも眩しかった...。
 で...結果なのですが、異常は認められない、ときっぱりしたお言葉を頂きました。が、矢張り、例の「黒いベール」が気になると言うことで、後日、視野検査をしましょうということなり、行ってきました。先日。再び病院へ...。
 予約どおり11時半に受付。さすがに殆ど待たず検査開始(一度目はトータル待ち時間含め3時間くらいかかりましたか)。眼科検査ではお馴染みの、台に顎を乗せ額を固定し...と言うのは同様ですが、此度は変わった機器の前に顔を固定されました。ハンフリー視野計と言う、中心部から視野30度以内を調べるものだそうで、椅子に座り、白いドームを内側から覗く様な形。顔を正面に固定した状態で、ドームの天井(天井とは言っても上にあるのではなく「前」にあるのですけれど)中央にあるオレンジのライトを凝視しつつ、その周囲に明暗様々、位置もランダムに点滅する光の点を捉え、即座に手に持ったブザーを押す、と言うもの。片目5分位でしょうか、時間は。瞬きはしても良いのですが、一切動いてはいけない、詰まり目の位置を動かしてはならない、と言うのは結構辛く、ゲーム感覚なので或る程度気は紛れるのですが...鼻がかゆくなったり、目が乾いてきたりで、集中が切れそうになる。しかも、非常に光の点が暗くなり(限界点を観るため態と暗くする)見え辛くなる場合等、ブザーを押す間隔が長くなり一寸不安。「やっぱり見えてないのか...」等と。
 左目、詰まり自分で異常を感じている方ですね。此方の方が、明らかに右目のときよりもブザーを押す回数が少なかった。気の所為か、はたまた矢張り視野が狭まっているのか...と、少々の不安...。
 で...結果ですが...異常なし...。前回を含め検査の結果からは、異常は認められない、とのこと。視野検査の結果など、同年代の平均値より優秀なくらいと言われました。「黒いベール」云々も、通常の範囲の生理的なもの、或いは老化によるもの、ではないかと。...取り敢えず、ほっ...。
 緑内障はゆっくりと進行し、視野が欠けてきても両眼で互いにカヴァーし合う為なかなか自覚が得られない。その為、可也進行してから治療を受ける方が多いそうです。一度失われた視野は、回復しません。でも、多くの場合、治療により進行を遅らせる事が出きるそうです。矢張り、年に一度の定期健診、と言う事になりましょうね。一寸だけ大変だけど、痛くは無い、ですから、受けましょう。ただ、(私的には)費用がなぁ...。自治体によっては、該当年齢の住民は無料で検査してくれるのだけれど、余り多くはない様です。毎年とは言わず、五年おきでも良いから、全ての自治体で実施してくれないでしょうか。

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*ヒポクラテス:BC460〜BC377 古代ギリシャの医師。迷信や魔術・呪術を離れ科学としての医学を生んだ
*Glaucoma:希臘語のglaukos―青緑色に由来(希臘神話の神様の名前にもなっている)
*mmHg:圧力の単位。水銀柱ミリメートル。一気圧は760mmHg。≒1013hPa(ヘクトパスカル)
*眼圧が正常の場合もある...:正常眼圧緑内障(NTG(NormalTensionGlaucoma))。緑内障の≒60%がこれに当たると言われている。なので、視野検査もしないと駄目なのです
*検査費用:「費用がなぁ...」等と言っていますが、飽くまで私的には、の話で、今回の検査(眼圧・眼底・視野検査)、保険適用後の費用は、3割負担計算で、≒¥6000(病院により異なります)
*失明原因:失明原因で緑内障は第3位。患者さんは世界で1400万人以上。自覚の無い潜在的患者さんは日本国内で500万人とも言われている
*治療により進行を遅らせる...:一般に治療は目薬の点眼で行う。眼圧を下げる為、房水の排出を促すタイプ、房水の生産を抑制するタイプ等の点眼薬を使う。場合により内服薬も併用。レーザー治療や手術を行う場合もある

緑内障の気になる方は是非専門サイトをご覧下さい。「緑内障」で検索すれば、製薬会社・学会また啓蒙団体他の緑内障関連サイトが多数表示されますので
此方では飽くまで簡易なものですが自己チェックが出来ます→ http://www.ntg40.jp/index2.html

'06 10/2 国立駅舎
雨上がりの大学通りと解体間近の国立駅舎 JR中央線高架化の為、駅舎としての役目を終え、残すことを前提にした解体が、国立市・東京都・JR東日本三者間で合意された、国立駅舎...。私が最も好きだった眺め、駅南にある、歩道橋上からの姿です。好きだった...と言う通り、現在の駅舎を含む景観は、残念ながら、好きではありません。
 今から何年前でしょうか...上の写真にも若干写っていますが、駅北口に高層マンションが建設され、駅舎の上に広がっていた空が、削られてしまったのです。それ以来、風景としての国立駅舎は、私にとっては、死んだ存在となり、歩道橋から駅舎を見ることは、なくなりました。上の写真を撮る為歩道橋に登り駅を見たのは、随分と久しぶりのことでした...。
 風景として死んだとは言っても、国立駅舎は、私にとっては思い出深い存在であることに変わりは無く、矢張り、復元保存されるとは言え、失われてしまうことは、残念なことです。幼少時、国立駅は家から最も近い駅で、常々利用していました。なので、私にとって、「駅」と言えば、矢張り「国立駅」なのです。しかし、駅周辺の変わり様が、余りに激しく、記憶の中の存在とのギャップがこれまた余りに甚だしい為、国立駅周辺景観の構成要素としての、駅舎には、正直、もう余り未練はありません。ただ、周辺環境の激変の中、殆ど変わらずにいた駅舎そのものには、逆に、愛着を感じたりもします。
 北口にお店(今のオンライン古書店の前身)があった当時、駅南口に用事がある時など、なるべく町並みを見ないように、多少ですが意識して歩いていました。周辺に高い建物など殆ど無い、車も今ほど多くはない時代...其処からの変わりようが、私にとってはですが、なにやら受け容れ難いものに感じられたのです。他の街の変化にも、そうした思いは感じますが...国立に対して感じるほどではないのです。矢張り、子供時代の記憶、子供時代の国立駅周辺での小さな幾つもの記憶やら経験やらがあるからでしょうか。
 古いレールを使用した柱に寄りかかって笑う、少年時代の私の写真(当然モノクロ)があったりします。
 景観面から言えば、国立と言う町の街づくりの中心となってきた、国立駅舎を、出来れば活用して頂きたかった。個人的な愛着とはまた別に、そう思います。確かに古い造りですから、高齢者や障害のある方々に使い難かったりもするでしょうし、耐震面等にも問題はあるでしょう。様々な効率も悪かろう...。でも...矢張り、残念...。
 景観と言う、人の精神生活に深く関わる問題に、多くの市民が関心を寄せる時代。行政や企業はそこに追い付いていないのでしょうか。景観も経済性や利便性やらと等価、くらいに考えるのは、暢気すぎるのか...。

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*国立駅舎:大正15年(1926)国立を開発した箱根土地(後のコクド)が建設し当時の鉄道省に譲渡した、JR国立駅の南口駅舎。都内の木造駅舎としては原宿駅に次ぎ古い。ダイヤ過密・交通量増加などから「開かずの踏切」が増加し、JR中央線三鷹・立川間が高架化決定。それに伴う都・JRの古い駅舎の取壊し方針に対し、国立市や市民団体は一時移動させ工事終了後再度戻すことを提案。が予算問題などあり紆余曲折。結局工期迫る中「残すことを前提に丁寧な解体」をし、保存した部材(瓦・梁・窓・柱等)を使用し木造での再築・文化財指定を目指すことに。復元場所・時期等は現在未定。できれば、国立駅前、大学通り(写真手前の道路)正面に復元して欲しいけれど...、無理なら小金井の江戸東京たてもの園等どうでしょう。あそこなら駅舎も浮かばれるのでは。近いし
*文化財指定:現在位置は防火地域である為、現位置で木造復元する場合解体前の文化財指定が必須となる
*高架化:正式には「連続立体交差化」。慢性的踏切渋滞や鉄道による南北分断を解消する為、三鷹−国分寺間及び西国分寺−立川間で行われている。全地下化は無理だったのでしょうか...。国立駅周辺等は準商業地の為、日照権は補償されず、補償なきまま、陽の当たらなくなってなってしまうお宅など多く出るのですよ。また駅周辺の土手は草が生茂り、その植物達も含む結構多くの野生生物たち(トカゲ・カナヘビ・アマガエル・カタツムリ・ムカデetc...。偶に店の中に入ってきてましたね)が住んでおったのですが...環境影響調査もないまま土手そのものが消滅してしまいました...

'06 10/1 現の証拠
ゲンノショウコ紅型 こちら「ゲンノショウコ」、白紅どちらがお馴染みでしょうか...。左右の写真、別種の花のようにも見えますが、同種の「ゲンノショウコ」。地域による変異で、南西日本では左の紅型が、東北日本では右の白型が夫々多いとされています。径15mm程の小さな花ですが、路傍などで結構目を惹くので、お馴染みの方も多いでしょう。私の住む地域(東京多摩)では、どちらも見られますが、紅型の方が多ゲンノショウコ白型 いでしょうか。ゲンノショウコ=ピンク色、と言うイメージが私の中には強く在りました。白型が存在し、この東日本にはそちらの方が多いということは知識としては以前から知っていました(日本語が変か?)が、実際に白型が近所に存在することに気付いたのは比較的最近の事です。「この辺には白の方が多い筈なんだけどな...」と、常々思っていたので、白発見時には、結構喜びを覚えました。
 この辺り、白型も紅型も見られると言いましたが、夫々見られる場所或いは環境に、若干の違いがあるようにも思われます。紅型は、人家の庭やその周辺の路傍等比較的人工度の高い場所に多く、白型は、畑脇や広い大学構内の殆ど手付かずに近い場所等比較的自然度の高い或いは人工度の低い場所に多い...ような...気が...。数箇所しかゲンノショウコの生育場所を知らないので、この少ないデータから判断するのは無理かもしれませんが、なんとなくそんな傾向を感じます。単なる推測にすぎませんが、紅型の方が何とはなしに見栄えがよい為、庭などに植栽されることが多く、為に民家周辺に広がったのかな...等とも考えたりします。当てになりませんが...。
 「ゲンノショウコ=現の証拠」。これを知ったのは十代終わりの頃ですが、それ以前は、変な所、「ノ」の部分にアクセントを置いて、且つ語尾を下げる形で覚えてしまった為、「変な名前。人の名前(源彰子とか...(「みなもとの」とは読まない))みたい...」等と思っていたのを、これを書きながら、思い出しました。この植物は、花期に(花がある時期は他の毒草等と間違える
ことがない)根以外の部位を乾燥し煎じたものが古来整腸の特効薬として知られており、薬効速やかなるところから、「現の証拠」となったとか。有効成分はタンニン。貝原益軒の「大和本草(1708)」や、小野蘭山の「本草綱目啓蒙(1803)」等にも紹介・記述されている、ドクダミと共に最も良く知られた民間薬の一つ。 ゲンノショウコ果実開裂後。種子は既に弾けている 日本薬局方(厚生労働省が定めた医薬品の規格基準書)にも「ゲンノショウコ」として記載されているそうな。有名な「ラッパのマーク」の某胃腸薬にも配合されているので、皆さんも知らず知らず、御世話になっていますよ、きっと。
  実が乾燥し開いた形、くるっと上にカールした形(写真(11/1追加))が、御神輿の屋根四隅の先端部分の捲きあがり(蕨手(わらびて))に似ているので、「ミコシグサ」とも言います。此方の名前で憶えていらっしゃる方も、多いかもしれませんね。

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*ゲンノショウコ:Geranium thunbergii フウロソウ科フウロソウ属。北海道から奄美・沖縄の広い範囲の山野から平地に分布。朝鮮半島・中国にも分布とか。高さ30〜50cmになる多年草で茎は横に這う。花期は長く8月から10月まで見られ る。花は日が暮れるとしぼむ(降雨時もしぼむ)。学名の前半部分(属名)を見ると「ゼラニウム?」と思いますが、ゼラニウムは現在引越しをしてPelargonium属へ行ってしまいました。因みにGeraniumは鶴に、Pelargoniumはコウノトリに因んだ名前。何れも実の形が嘴を連想させるところからとか。thunbergiiはスウェーデンの植物学者の名に由来し、いろんな植物についています
*タンニン:植物に普遍的に含まれるポリフェノール(フェノール(ベンゼン環C6H6の水素原子(H)が一個水酸基(OH)に置き換えられた化合物)性水酸基を持つ成分の総称)の一種。革をなめす(tan)に用いられていた為の名。水溶性で、舌や口内粘膜と結合し変性させ(収斂作用)「渋味」を生む。粘膜からの分泌を抑制する為(同じく収斂作用)、止瀉・整腸作用がある
*民間薬:経験的に生活の中に取り入れられてきた薬。漢方薬とは異なる
*大和本草(やまとほんぞう):儒学者として有名な貝原益軒が著した、本草書。本草は本来薬用植物学だが、この書ではそれに囚われない博物学的内容に発展しているとか
*本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう):明の李自珍の著した本草学の教科書的存在「本草綱目(1596)」(慶長(1596〜1615)の頃日本に渡来)を、本草学者小野蘭山が翻訳・補訂したもの

'06 9/1 藪茗荷
藪茗荷
 ここ数週程、腎臓を患っているご近所のネコ(荘助くん)を自転車に乗せ、二〜三日に一度のわりで、治療(点滴中心)の為獣医さんへ通っておるのですが、その道すがら、脇を通る(人間の)病院敷地片隅の暗い木立ちの下生えに、ヤブミョウガ(藪茗荷)の群落が有り、朝の木洩れ日の中、花が、仄(ほの)白藪茗荷の果実く咲いています(写真左)。とは言い、今は花盛り過ぎ、全体の30%程は、既に結実(写真右)していますが、花の少ないこの時期、ヤブミョウガの白い花(未熟な果実も暫らく白い)は、地味ながらも、木蔭に涼しげなアクセントを作ってくれます(朝とは言え、暑い...)。少し艶の有る細長い葉も、一寸個性的で、やはり木立ちの下で良いアクセント。
 ヤブミョウガは日本に自生する野生の植物です。名の如く、林内のやや薄暗い様な環境中に育つ多年草。関東から西の本州、及び四国、九州、沖縄に分布。朝鮮半島・中国・台湾にも分布しておるとか(一説には、濠太剌利・南米にも分布と)。艶の有る葉なども含め、その容姿、何とはなしに熱帯・亜熱帯の南方系なにほいを醸しています。名に「ミョウガ(茗荷)」と付き、且つ、見るからに軟らかそうな茎や白い根等持つ為、食用になりそうですが、残念ながら、食べられません(若しかしたら地域により食用となっていたりするかもしれませんが、そうした情報は有りません。今の所)。うちの家族など、完全にミョウガと混同し、食べられないと知ると、ガッ...カリしておりました。確かに、ミョウガに葉が似ています。でも、ミョウガはショウガ科、ヤブミョウガはツユクサ科(ヤブミョウガ属)で、大分縁遠い間柄。言われて見れば、確かに花や雄蕊等、ツユクサを彷彿とさせる雰囲気は持っています。ツユクサに比べたら、高さ数10〜100cm程と大分デカイですけれどね。葉も大きく、先端の尖った細長い15〜30cm位のものが、数枚上から見ると輪状に集って付いています(実際は互い違いに付いている(互生)のですけれど)。でも花の一つ一つは10mm有るか無きかと小さく、よ〜く見ると透き通る様な白い花弁を持ち可愛らしい(小さな花が輪状に段をなして付き全体として穂状になる)。この花がやがて濃い青藍色に結実し、中に小さな種子を沢山作る。気を付けて見ると、庭先、公園、雑木林等、市街地でも結構見掛けることの出来る植物です。因みにヤブミョウガ、学名を、"Pollia japonica"と言います。
 病院通いが始まった盛夏の頃に比し、名残の暑さのこの季節、花は減りましたが、葉同様艶の有る藍の実も、背の高い茎の頂部に、意外に、目立つ。

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*ヤブミョウガの分布:日本は自生の北限に当る
*ヤブミョウガの花:雄蕊のみの雄花と、雄蕊と長く突出した雌蕊とが共に有る両性花とがある。花弁は一見6枚、でも実は3枚で残り3枚は萼(がく)
*ミョウガ:ショウガ科ショウガ属 学名:Zingiber mioga 熱帯ASIA原産で日本には古い時代に持ち込まれたと考えられている。通常我々が食しているのは花序で、摘み取らずにおけば、クリーム色の一寸エキゾチック&ミステリアスな雰囲気を持つ綺麗な花を咲かせる。ヤブミョウガを「ハナミョウガ」と呼ぶ事が有るようですが、此方ミョウガと同じショウガ科の植物に「ハナミョウガ」が存在しています

'06 8/5 大豆
 私は自己紹介にもあるように、大豆系食品が大好き。お豆腐・厚揚げ・油揚げ・がんもどき・おから・お味噌・納豆・湯葉・黄な粉...等など、肉料理や魚料理の大半(全てでは無い)が苦手な事も有り、貴重な蛋白源としても、大変重宝しています。お安いし...。が、その大豆製品に使用されている大豆について、気になる事があります。何かと言えば、大豆の生産地。これが多くのものについて、明記が無い。遺伝子組換え大豆の不使用についての表示(要注意な表示ですが)はあっても、何処産とは、滅多に書いていない。気になる...。途上国で大規模な森林伐採によって造られた農地で、低賃金・過重労働で大量の農薬を使用して作られたりしているのではなかろうか...等と気になってしまったりもする...。
 と言うときに一つの情報が...。それは、米・仏等の大手大豆取引業者が、伯剌西爾アマゾンで、新規に森林から転換されて生産される大豆について、二年間購入を停止する、と言うもの。大豆は伯剌西爾において主要な換金作物である為、違法に栽培される事も多く、栽培に伴う伐採が、アマゾンの熱帯林破壊の主要原因の一つとなっている。そして生産された大豆は取引業者を介し、食用家畜・家禽の飼料として主に欧羅巴に輸出されている...ので、大豆生産に伴う形の森林破壊を食い止める為、環境保護団体(Greenpeace)が、食品小売業者(マクドナルド社他)に働きかけ、共に大豆取引業者に、森林破壊を伴って栽培された大豆の購入を停止するよう要求した為とか。
 なるほど...。欧羅巴の飼料用大豆の一部がアマゾンで生産され、熱帯林破壊に繋がっている場合が有る、と言うことは解りました。では、私が毎日食している大豆は、何処で生産されているの?
 まず、「ダイズ(Glycin max)」とは如何なるものか...と言うと、マメ科ダイズ属の一年草で、中国原産とされています。東亜細亜では≒4000年前には栽培が始まり、日本には≒2000年前に渡来しているとか。欧米には18世紀以降に渡り、20世紀に入ってから世界全体で栽培されるようになった。生産量では亜米利加が≒5〜6割を占め、伯剌西爾・亜爾然丁・中国が其れに続く。H.15年度、日本では≒23万tが生産されているが、総消費量は≒530万t。総消費量中≒400万tが食用油として利用され、≒100万tが食品として利用されている。自給率は、H.15年度食品用で言えば≒22%、全体では4%...。少な...。
大豆の主な輸入先及び輸入量はH.16年度、亜米利加318万t、伯剌西爾78万t、加奈陀26万t、中国19万tで、食用に関しては、米・加・中が殆ど...。
 毎日食する大豆の大半は、輸入されたものであると言うことが、解りました。案外「途上国」と呼ばれる国からは少なかったですね。でもどの様に生産されているかは、やはり外国の事となると、解り難い。気になるところです...。
 実は、豆腐・納豆に関しては、原産地表示につき、検討されているのです。農水省で。
 加工食品の原料産地表示については、加工度が低い・生鮮品に近い・産地による品質の差があり商品の差別化がされる...等の要件が表示義務付けに必要と言うことで、豆腐・納豆も結構該当するのでは、とずっと言われていたそうなのですが、豆腐・納豆業界は零細・中小企業が多く、また、一定品質を保つ為原料のブレンドや、産地の切替が頻繁...等の理由により、原料産地表示が難しい...と言うことが有るのだそうです。なるヘソ...。簡単に言ってるけれど、結構大変なのね...。失礼しました...。
 略毎日行く、スーパー・マーケット。ありとあらゆる食品が、溢れています。でもこれら食品・食品原料のうち栽培・生産・輸送・包装等について、環境や生産現地の人々の生活に関し等どれだけ配慮されているのだか、気になる今日この頃です。せめて、なるべく環境等に負荷をかけ難い商品を選びたいと思うのですが、その為にも、出来得るだけ情報を提供して頂きたい。何処でどうやって生産され、どうやって運ばれたのか等など、大変とは存じますが、宜しくお願い致したい。違法な森林伐採や作物栽培、或いは違法採取・密猟も、需要がなければ成り立たない。破壊的な自然物の利用により得られた商品を購入しなければ、供給も成立しない訳で、我々消費者の責任も大。よって、我々も勉強しなければならないし、その為には「知る」事が重要。情報は受けるだけでなく、要求もしないと、駄目なのですよね。
 でも、環境等に配慮された商品って、大体お高いのだよ...コストが掛かるから仕方ない面もあるのだろうけれど...。環境面に余り配慮されているとは思い難い商品よりお高いと言うのは、矛盾だよな...。

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*遺伝子組換え(GM:GeneticallyModified)原料不使用:と書いてあっても、分別措置を行っても防げない意図せざる混入であれば5%(重量比)未満の遺伝子組換え原料の混入は認められている(日本の場合。EUはずっと厳しく0.9%)。日本が一番多く輸入している亜米利加産の大豆は、70%以上はGM大豆だそうな。と言うことは知らず知らず食している可能性大有り...
*大豆自給率:単位面積辺りの収穫が少ない、豊凶の変動が激しい、機械化が遅れている...等が低自給率の原因と考えられているらしい
*大豆主な用途:国産大豆の主な用途は、豆腐58% 煮豆・惣菜13% 納豆8% 味噌・醤油7%。輸入を含めた大豆全体の主な用途は、豆腐・油揚げ49% 納豆14% 味噌14% 醤油4%(農水省 H.15年度)。納豆については、米・加の輸入大豆が大部分とか
*国産大豆使用表示:国産大豆100%使用の場合のみ「国産大豆使用」と表示可能。100%未満の場合は「国産大豆ナントカ%」と表示
*ありとあらゆる食品が...:カロリー・ベースで見ると日本の食料自給率は≒40%。極単純に考えるとスーパーに並ぶ食品の半分以上は海外から輸入されたものということですね。食品別に見ると、米・野菜・鳥卵等は80〜90%代ですが、牛乳・乳製品60%代、肉・魚介類は50%前後、果物40%代、小麦・油脂は10%代、大豆は僅か4%...。外国はどんなかと言うと、
米121% 英61% 仏122% 独99% 韓49% (’03年度)
*アマゾンの大豆:EUではBSE(牛海綿状脳症)対策の為家畜飼料に動物性蛋白質が使用できない為大豆が蛋白質飼料として需要が増加した。中国では食の欧米化で食肉需要が急増するに伴い飼料用大豆・食用油の需要も急増。こうした背景が伯剌西爾アマゾンでの大豆作付面積の急激な増大及びそれに伴う熱帯林破壊の背景の一つにあるらしい
*生産現地の人々の生活:農地開拓等に伴い、先住民族や伝統的生活を営む人々の生活や土地所有権などが蔑(ないがし)ろにされる場合等ある
・Greenpeace pressreleace・Fruit safety・jica・農林水産省他のHP等を一部参考とさせて頂きました

'06 7/12 Missile
 朝鮮民主主義人民共和国(一寸長いので以下DPRKと記させて頂きます)による、安全保障上の脅威と受取られるミサイル使用を受けて、日米英仏は、ミサイル・大量破壊兵器計画に寄与する資金・物資・技術の移転を禁止する制裁措置を国連安全保障理事会に求め、又日本政府は独自に、DPRKへの送金や貿易を制限する制裁措置を検討している様ですが、如何なのでしょう、特に後者。経済制裁に其れなりの効果は有るかもしれませんが、結局は、唯でさえ疲弊しているDPRKの我々と同じ一般市民を、苦しませるだけ、と言う事にならないでしょうか。もし、我々が、今経済制裁を受けたらば、如何?長引く不況で疲労困憊(こんぱい)の市民。更なる苦を負う事になりませんでしょうか。私なんぞは一溜まりも御座いません...。そのように考えると、更なる経済制裁へは、個人的には、気が進まんです。DPRKから見ると、全貿易額の≒20%を日本との貿易(中国に次いで第二位)が占めているとの事。其れだけに効果と同時に、(市民に対する)ダメージも大きいでしょう。
 それと気になるのが、防衛庁長官のお言葉。DPRKのミサイル基地を攻撃できる装備を保持すべき、また持って当然とのお言葉。気になります。日本は、日本人は忘れているかもしれませんが、周辺東アジア諸国にとっては、軍国主義・帝国主義的侵略国家との警戒・疑惑を持たれる立場。また、何時でも核兵器を開発・保持できる、潜在的核保有国と見られています。お隣近所を心配させてはイカンです。唯でさえ、自衛隊を「普通」の軍隊にしたくてしようがない政府の動きを感じる今日この頃(今に始まった事ではないか...)、心配です。まずは、ミサイル攻撃なんぞ、心配したり考えたりせんでも良いような外交。此れ一番。せいぜい次にMD(Missile Defense)。戦争の心配は今のところないでしょうが、何れにしろ、ミサイルの撃合い(戦争)は最悪の選択。政治・外交の失敗以外の何ものでもない。「戦争は別の手段による政治の継続」と言いますが、その継続を断ち切って、「別の手段」によらない政治(外交)が第一。日本を「平和国家」と言うならば、やっぱり、その辺で力示さないと。
 戦前の日本(米英と戦争始めちゃった)、アパルトヘイト時代の南アフリカ(核兵器作っちゃった(既に廃棄))...。余り追い詰めるとロクな事にならない。難しいでしょうが、DPRKと仲良し(と言う事になっている)中露とも連携して、是非とも、話し合いで。DPRKのミサイル或いは核兵器の開発・保有には強く反対しますが、DPRK政府・市民に対する、冷静な対応を、望みます。(核保有国印度も中距離ミサイル実験...。DPRKのミサイル問題とは同次元ではないでしょうが、これも気になる。亜細亜非核地帯化の道遠し...)

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*MD:ミサイル・ディフェンス。飛来するミサイルを人工衛星やレーダーで捕捉し着弾前に迎撃ミサイルで撃墜するシステム。海上配備ミサイルによる大気圏外迎撃と地上配備ミサイルによる大気圏内迎撃の二段構え。亜米利加向けのミサイルを日本が撃墜したり、ミサイル情報を日本が亜米利加に提供したりした場合(又は逆)等、憲法で否定されている集団的自衛権に当るのでは...等問題視されている
*集団的自衛権:軍事的同盟国(亜米利加)が攻撃された時日本が攻撃されていなくても共同で戦う権利を「集団的自衛権」と言い、此れは持ってはいるけど使えない、憲法に反するという解釈が一般。日本が攻撃された時日本のみで戦う(自衛)権利を「個別的自衛権」と呼び此れは憲法の範囲内とするのが一般。日本領空に飛来したミサイルを撃墜するのは個別的自衛権の範囲内で問題ないが、大気圏外で亜米利加向けミサイルを撃墜した場合集団的自衛権の行使となる
*「戦争は別の手段による...」:プロイセン(プロシア)の軍人・軍事思想家カルル・フォン・クラウゼヴィッツ(1780〜1831)著「戦争論」中のお言葉。「戦争論」は、「戦争とは何か」と言う戦争の本質について論じた点で画期的とか(未読の為不明...)

'06 6/18 飛行機乗った事無いけれど...
 私は、飛行機が大好き。でも乗った事がない...。私は、生来の不精者で、旅行が大の苦手。また、可也乗物にも弱く、山歩きを除けば、殆ど旅行した事もないし又興味も殆どなし。海外など行って見たいと思ったことすら殆どない...と旅行に関してはないない尽くしなのですが、如何した事か、本年春頃より、海外旅行に興味を持ち始め、旅行会社のパンフレット(カタログ)を集め、閑を見て眺めては、彼是妄想し、挙句「一生無理だな...」等と溜息の日々...。私の脳内の化学物質に如何なる変化が生じたのか、集めたパンフレットより切り抜いた、南欧や中米(西班牙・伊太利亜、墨西哥辺りが多いか...)の写真を、在庫を並べた本棚の扉に、日除け(本の褪色を防ぐ為)を兼ねてぺたぺたと貼り捲くり、「何時かは是非...」とモチベーション刺激効果を期待しつつ眺める日々...。如何したの?...死期が近いの?...。まあ、其れはさて置き、長い事大の旅行無関心者(特に海外)でしたから、当然飛行機には乗った事がない。が、大の飛行機好き。特にクラシック・プレーンと呼ばれるもの、所謂昔のプロペラ機(一部ジェット機も含む)が好きなのですが、現代の飛行機達も勿論好き。爆音が聞えると、一応空を見上げ機種を確認(出来る場合は)せずには居れない性質(たち)。滅多に御目に掛かれない機種を見た日等は何か、一日幸福...(単純なヤツ...)。その航空機に関し、一寸気になる事が...。
 5月の連休は、発送がお休みなのを幸いに、植木の剪定に明け暮れていましたが、海外にお出かけした方も多いと思います。大多数の方が航空機でお出かけだと思いますが、その航空国際便、余り取上げられる事はないですが、増加により気候変動(地球温暖化)を引き起こすのではと懸念されるCO2、結構排出しています。
 どれ位排出しているかと言うと、世界全体の国際航空便で、一年間に≒3億5800万t(トン)(’03年IEA(国際エネルギー機関)データ)。「はぁ?...。」ピンと来ない数字ですが、仏蘭西一国の同じく一年間のCO2排出量が、3億8900万tであると聞けば、少しと言うか、ずっしりと理解出来ますね。因みに日本の’04年のCO2 総排出量は、13億2900万tです...。
 温室効果ガスの削減義務(先進国対象)を定めた京都議定書では、航空国内便の排出する分に関しては、各国の運輸部門に含め、削減の対象とされていますが、国際便に関しては、各国の排出量には含まない、とされています。何故なら、国際便は、削減義務を負わない途上国でも発着している為です。
 温室効果ガスの排出削減についての、先進国と途上国の微妙な関係が有るとは言え、航空国際便は見ない振り、では立ち行きません。’03年で全体の国際便CO2排出量は、’90年比で25.6%増。航空機全体の排出するCO2の全体のCO2 排出量に占める割合は、’92年度で≒2%でしたが、2050年には、3%へ増加する見込み。また、航空機全体の排出するCO2の絶対量は、2050年には、’92年の1.6〜10倍になると推定されている様です...。因みに、日本の航空機が全国際便の中で占める割合は、≒6%で、世界第三位(一位亜米利加 二位露西亜 三位日本・英吉利・独逸)。また、日本の国際便からのCO2排出量は、’03年には’90年比で54%増加したとか(EUでは73%増)...。
 運輸部門のCO2削減問題といえば、自動車ばかりが、槍玉に挙げられ、また対策も其れなりに施されて来ていますが、二輪車や特殊車両、鉄道、船舶、また航空機等なども排出量削減対象としていく事は、欠かせなくなるでしょう。’03年度の日本国内CO2 総排出量中に占める運輸部門の割合は、21%です(内航空機は≒4%で、≒90%は自動車ですけれど...)。
 ’08年から、EUでは、域内空港から離着陸する航空機に対しては、CO2排出規制をかけ、また、航空機よりの温室効果ガス排出量を、排出量(権)取引システムに参加させていくとのこと。日本でも、成田空港で’05年、「エコ・エアポート基本計画」が策定され、その中で、温室効果ガス排出量(航空機の他車両や施設を含む)を、一回の発着あたり、’02年に対し’06年に5%、’10年に10%其々削減するとの目標を定めています。低排出ガス航空機導入拡大やGPU利用促進等を考えているとか...。いろいろ動きはある様ですが、まだ一地域・一企業単位の行動に限られているのが現状のようです。
 う〜ん...見上げる飛行機を見る目が、少し変わるな(軍用機なんか、基本的に環境対策全く施されていませんからね。軍用機も大好きなんだけど...(実際に使われるのは大嫌い))。もし海外行くことになったら何で行こう...チャリ?...。そんな心配は、いらんか...。

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*仏蘭西は原子力エナジー利用の比率が高いので、先進国と呼ばれる国の中では比較的CO2排出量が少ない
*排出量(権)取引:"Emissions Trading" 国や企業が、割り当てられたCO2等の温室効果ガスを排出できる枠、「排出量(権)」の一部を売買できるシステム。定められた排出削減目標より余分に削減できた場合、他の国や企業に余剰排出量(権)を売却したり、逆に排出量削減値が目標に達せなかったところが、差分排出量(権)を余裕のあるところから購入出来 るようにし、全体の排出量をコントロールする制度。キャップ(上限)・アンド・トレード(取引)型と言う。京都議定書に盛りこまれた京都メカニズムの一つ。一般に効率が良いと言われている
*京都メカニズム:温室効果ガス削減目標達成の為に定められた。上記の排出量取引、複数国共同で省エネ等のプロジェクトを実施し削減量を自国削減量に摂り込む共同実施、先進国が途上国と共同で温室効果ガス削減プロジェクトを途上国で実施し削減分を先進国が自国削減分に充てることが出来るクリーン開発メカニズム、先進国が森林育成等でCO2を吸収するプロジェクトを実施する吸収源増大がある
*GPU(GroundPowerUnit):地上動力装置。一般に航空機(旅客機)は機体後部のAPU(AuxiliaryPowerUnit 補助動力装置)を航空燃料で動かし電力・冷暖房等を賄うが、排気も多く騒音も大きい。GPUは、空港施設から地上の航空機へ電力・冷暖房空気を供給するもの。APUに比し、CO2排出量で≒23分の1程度になるとのこと
*航空燃料:一般に民間大型旅客機は、JET-A(又はJET-A1)と呼ばれる灯油に似た燃料を使用。ガソリンではない
*国内各輸送機関の排出量割合:自家用車49.5% 自家用貨物車18% 営業貨物車17.1% バス1.8% タクシー1.7% 船舶4.9% 鉄道2.9% 航空4.1% となっています(’04年度国土交通省)

'06 4/17 Dugon dugon・儒艮・犀魚
 沖縄宜野湾(ぎのわん)市の市街地にある、亜米利加海兵隊の普天間(ふてんま)基地の返還が、在日米軍再編に伴い決定したのが’96年。そしてのち’99年、この基地移転先として選ばれたのが、同じ沖縄県の名護(なご)市辺野古(へのこ)でした。最近報道で耳に或いは目にする機会も多いですね。名護市長と政府の間で辺野古沿岸部への移設合意が行われたと言う事で。この問題は、何故日本に外国の基地が有るのか、何故基地の多くが沖縄に存在するのかと言う可也根本的な部分からも触れられますし、住民の頭越しの合意である、県民の七割が反対である、又市長と知事の見解の相違...等色々な側面が報道されるのですが、何故か環境面の問題が触れられない。当初の名護市沖合への基地建設案の頃から、珊瑚礁の破壊や漁業への影響、また、この辺野古周辺を生息・行動域とする「ジュゴン」への影響などと言う面から激しい反対があったのです。が、その辺りについて触れられる事がない。一寸気になっております。
 名護市辺野古沿岸は、珊瑚礁とアマモ等の海草藻場(もば)があり、ジュゴンはじめ多くの海棲生物の生活の場となっています。この内ジュゴンは、現在日本では辺野古を中心とした沖縄本島中部東海岸周辺のみに生息し、恐らく個体数50頭以下と考えられる、国内で最も絶滅の危険性の高い種の一つとされています。
 ジュゴンの主食は、アマモ等の海草(「海藻」ではない)。ところが、辺野古沿岸に長さ1800mもの滑走路を持つ基地建設となれば、当然この海草の育つ藻場も広範囲破壊される事になります。また基地建設後の、航空機・船舶等による騒音のジュゴンへの悪影響も懸念されています。ジュゴンの海
 タイトルの、"Dugon dugon"はジュゴンの学名、「犀魚(ざんのいお)」は古名、そして漢字で書いたのが「儒艮」。このジュゴン、IUCN(国際自然保護連合)では「絶滅危急種」に指定され、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引きに関する条約)では規制の最も厳しい「付属書1」に掲載されています。日本国内でも、水産庁や日本哺乳類学会では「絶滅危惧種」に指定、文化庁は天然記念物に指定、そして地元沖縄県でも昨年最も絶滅の危険性の高い「絶滅危惧IA類」に指定しています。ですが、何故か環境省においては、「絶滅危急種」にも「絶滅危惧種」にも指定はなし。「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)(’92年制定)」による「国内希少野生動植物種」の指定もなく保護の対象にされていません。勿論生息地保護区制定もありません(基地移転問題の当事国亜米利加の「種の保存法」では、ジュゴンは保護の対象として指定されています)。’01・’04年に環境省は、ジュゴンの「国内希少野生動植物種」指定について、大分前向きな発言をしているのですが...何故...? 圧力...?と言って悪ければ「配慮」...? ジュゴンが「国内希少野生動植物種」に指定されれば、個体のみ保護の対象となる天然記念物と異なり、その生息地も保護の対象とする事が出来ますから、基地建設は難しくなりますものね。
 普天間基地移設問題。ジュゴンや環境面の問題も含め、注目して行きたいと思います。

追記:’07年8月4日
環境省は昨三日、ジュゴンを新たにレッド・リストの最も絶滅危険度の高い「絶滅危惧1A種」として指定しました。でも種の保存法の指定対象にはなっていませんので、保護の法的義務は生じていません

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*ジュゴン:海牛(かいぎゅう)目ジュゴン科ジュゴン属 系統的には象に近い哺乳動物。体長≒3m 体重≒450kg 寿命は70年以上とも言われる。東南亜細亜・濠太剌利・印度及び阿弗利加東岸などの浅海部に分布。世界全体では10万頭程生息していると考えられているが、食用目的の乱獲や魚網による混獲、ボート等との衝突また生息地の破壊などで減少。濠太剌利以外では日本も含め十分な保護は行われていない。水温20℃以上の環境が必要とされ、沖縄が分布の北限と考えられている。主食は海草。マナティは親戚(海牛目マナティ科)で、世界に3種知られている。個体数はアメリカマナティーで1000頭程と言われているが、アフリカマナティーとアマゾンマナティーについての詳細は不明。他の仲間に体長7mを越えるステラーカイギュウがいたが、18世紀に乱獲により絶滅している
*アマモ:Zostera marina アマモ科アマモ属の単子葉植物。コンブ等の海藻(胞子で増える)とは異なる種子植物。浅い海に自生。20〜100cmにもなる細長い葉を持ち、「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(龍宮の乙姫の元結の切り外し)」と言う名を持つ。遠浅の砂泥地に群落を作り、魚類の産卵場所、稚魚の生育場所また水質浄化作用或いはジュゴン、ウミガメ等の餌場として重要な存在
*付属書1:商業目的の取引き原則禁止。付属書2は商取引に輸出国許可・証明が必要。付属書3は付属書2に準ずるが、原産国が独自に制定
*生息地保護:国内希少野生動植物種の保存の為に必要ありと環境大臣が認めれば、その指定種(例えばジュゴン)の生息地を保護区として指定することが出来る(種の保存法第36条第1項)。指定されれば、建設・埋立てなどの行為は許可制(区域により届出制)となる。詰り環境省が駄目と言えば基地は作れないことになる。法的には
*沖合案:当初地元は、安全性・騒音・基地固定化への懸念等から、沖合への建設、軍民共用、十五年の使用期限等を条件に了解。然し後地元への説明のないまま沿岸案に切り換えられた

(画像は、無料イラスト・サイト「イラストAC」よりお借りしました)

'06 4/12 胃がん検診
 胃がん検診(無料)、行ってきました。昨年の成人検診同様、はじめての経験なので、一寸どきどき...。でも、今回は採血が無いので安心です(血が苦手...)。
 検査前日は、夜10時以降飲食は駄目(水は就寝までOK)。当日は朝から一切の飲食は駄目、煙草も駄目の駄目駄目尽くしで、これが結構、耐えられるか?と心配だったのですが、考えて見れば、元々夜10時以降飲食はしていないし、朝も低血圧で元々食欲も(元気も)ないしで、左程苦にならずクリア。ふらふらと半ば寝ぼけながら(朝早かった...)がンセンターへ。
 手続きもスムーズに、まず問診。これまた予め用紙に細かに記入済みなのでスムーズに終了。「はじめて(検診を)受ける方ですと技師さんに伝えておきますね」と優しいお言葉を胸に、さあ、いよいよ検査。バリウム飲んでX線撮影。残る問題は、このバリウムです。「まずい」「飲み難い」「苦手だなぁ...」と、話は矢鱈聞くのですが、飲んだ事ない...。大丈夫か?...。
 大丈夫でした。美味しかった。
 バリウムを飲む前に、まず検査着に着換え、細長いプラスティック容器に入った顆粒状の発泡剤を飲みます。これが...又結構美味しい。粉末のソーダを、もちょっと刺激的にした感じでしょうか。これを舌の上にてんこ盛りにして少量のバリウムで飲み下します。胃を膨らませ、胃壁の襞(ひだ)の状態を見易くするためです。そして、次にバリウムを本格的に飲みます。胃粘膜の表面にバリウムの薄い膜を作り、この膜をX線で撮影する為です。紙コップ一杯。150ml位でしょうか。...美味い。ヨーグルト味のぬるいミルクセーキの如きかな...。あとは、発泡剤によるおくび(げっぷ)を堪(こら)え(と言って別に苦しくはありませんでした)つつ。検査台へ。
 一応事前に説明を読んでいましたが、予想以上にクルクルと転がされました。検査台は、前後にピッチング、左右にローリングする金属ベッド。ミキシング・ルームのプロデューサーの如く、ガラス越しに技師さんが彼是(あれこれ)指示。「右に三回廻って下さい」「もう少しこちらにお腹を向けて...はいOKです」「今度はうつ伏せになって下さい」「今度は仰向けになって下さい。はい息を吸って...止めて...はいOKです」...と。滑り止めにゴムを巻いた手摺に掴まり、身体を保持しつつ7〜8枚撮影。時間にして5〜6分でしょうか。初めてですので、感覚的にはもっと長く感じましたが、その程度です。でも、御年寄りや身体の不自由な方は、難しいでしょうね。如何するのでしょう?ちょっと気になりました(内視鏡ですか)。
 バリウムを速く排出する為、緩下剤を二錠頂きました。なるべく沢山水分及び繊維質の食品を摂って下さいとのこと。
 検診結果が届くのは3〜4週間後。東京都の場合、’02〜’04年度においては、検診を受けた方のうち9%程度の方が要精密検査になったとか。要精密検査になったとしても、精密検査は、潰瘍やポリープまた胃炎などの疑いの有る場合も対象となるので、要精密検査=がん...? と心配する必要は、必ずしもないのですが...どうなることやら。
 僕のような自営・自由業の人間は(主婦の方もそうですが)、職場等での検診の機会がないので、自分から動かなければならないし、時間の遣り繰りなど大変と言えば大変ですが、心配してくれる家族への孝行と思って、なるべく受診したいと思います(歳も歳だし)。希望しない限りやらなくていいのは、楽でいいんですが、これくらいしか孝行できないしな...(情けなし...)。
(註:バリウムや発泡剤を「美味しい」と書きましたが、僕は5kg数千円の最高級コシヒカリも5kg千円くらいの超特価米も全く区別のつかない人間です(どっちも美味しい))

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*バリウム:正確には、硫酸バリウム(BaSO4)と水と粘着剤の懸濁液。X線を透し難い。人体は胃を含めX線を透過させ易
い為「バリウム」の皮膜を作りX線で写り易くする(造影剤)。有毒だが、胃液・腸液に溶けず消化管で吸収されずにそのまま体外に排出され、毒性はないとされている。が稀に過敏症が見られる場合も有る *発泡剤:水又は胃液に触れるとCO2(二酸化炭素)の泡を出す
*粉末のソーダ:水に溶いてソーダ水を作るもの。僕の少年時代には普通のオレンジ・ジュースやらコーラとか色々粉末タイプが有りましたが...。使用されていた人口甘味料「チクロ」に毒性が有ると言う事で使用禁止となり、其れと共に粉末系は無くなったとか
*チクロ:サイクラミン酸。砂糖の30〜40倍の甘さがある人口甘味料。発ガン性・催奇形性があるとの疑いからUSA・日本で使用禁止となる。有害性に付いては国・地域により見解が異なり、EU・中国では現在も使用されている
*「クルクルと転がされ...」:胃粘膜にバリウムを満遍なく付着させる為。また様々な角度から撮影する為

'06 3/21 HST
 皆さんは、PCの壁紙、どんなものをお使いでしょうか? 風景? 動物? それとも、無し?。私は、何時も天体写真。現在は「オリオン星雲(M42)」。HST、詰り「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)」の撮影した、それはそれは、鮮明で美しい画像です。NASA運営の"Hubble Site"には、壁紙始め、多数のHST撮影の美しい画像、本来は天文研究用に撮影された画像達ですが、其れを離れて、天文なんぞにはこれっぽっちも興味も関心もない、と言い切る方でも、心動かされずには居れない(であろう)、芸術的、いや或る意味芸術を遥かに超越した美の世界、一寸背筋がブルッと寒くなるくらいに美しい天体の姿が、多数コレクションされています。「ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド」と呼ばれる、ビッグ・バン(宇宙誕生)から僅か4〜8億年と言う宇宙の深淵(しんえん)を捉えた画像などは、見つめていると、自分が、ぽつんと遥か遠い宇宙空間に一人放り出されたかの如き圧倒的孤独感に捉えられることもあります。また「わし星雲(M16)」の画像などは、その存在感・迫力に、恐怖感すら覚えます。一寸オーヴァーか...。でも、それ程にインパクトある素晴らしい画像群です。是非ご覧下さい。唯、これら画像達を見詰ていると、「美」の本質って、本当は、一寸コワイものかも...と感じますけれど...。でも、本当に美しい姿を伝えてくれています。是非、お閑なら見てよね。
 ところがこの、ファンタスティックな画像を我々に提供してくれたHST、そろそろ御払い箱になってしまうのです。
 HSTが、スペース・シャトル「ディスカバリー」により地球周回軌道上に打上げられたのは、1990年。地球大気と言う、我々生物にとっては何ともありがたい存在が、何とも厄介で邪魔なものとなる天体観測を、大気や天候に影響されない大気圏外から行いたい、と言う天文学者達の長年の夢を実現させるものでした。軌道上のHSTは、スペース・シャトルによるメンテナンス・改修(サーヴィス・ミッション)を受けつつ、15年間運用される事が、当初より予定されていました。そして、2003年NASAは、HSTのメンテナンスは今後行わないと発表。このままで行けば、’07〜’08年には姿勢制御もままならず、バッテリーも切れで、’10年頃には、太平洋に落下...合掌...。と言う事に...。
 ただ、宇宙望遠鏡そのものは、今後も継続して運用されて行きます。’10(又は’11)年には、HSTの後継機として、「ジェイムズ・ウエッブ宇宙望遠鏡(James Web Space Telescope)」が打上げられる予定になっています。此方のJWSTは、HSTよりも大口径(直径6m HSTは2.4m)の望遠鏡(反射式)を搭載し、HSTとは異なり、地球からの光(反射した太陽光)や近傍のダスト(塵)の影響を受け難い、地球から≒150万km離れた、地球を挟んで太陽と丁度反対側になるラグランジュ点(L2)に置かれます。HSTは地球から≒600kmの距離ですから、遠い...。地球―月間でも≒38万kmですから...。
 JWSTがやがて打上げられるにしても、JWSTとHSTの機能的な違いや、JWSTの打上げが遅れる可能性、またこの人類初の宇宙望遠鏡への愛着などなどから、HSTは存続させるべき、との声は多いようです。シャトルでの補修船外活動の危険や、ロボット使用の無人改修もコスト面や技術面で無理、と渋っていたNASA。存続の可能性は、如何なのでしょう...。本来は、’06年にも最後のメンテナンスを行い、JWSTにバトンを渡すまで、運用を続ける事になっていたらしいんですが...。HST廃棄に関し、シャトルの安全性確保(勿論大事)の問題、ISS(国際宇宙ステーション)を’10年までに完成させる為、シャトルはISS建設に主に使用し完成後退役させる計画である、よってHSTの為にシャトルを飛ばす余裕はない、と言うことが、理由として挙げられています。が、やはり予算ですかね...ネックは...。何処ぞで沢山予算使ってますからね...。亜米利加の予算で運営されていることに、とやかくは言えませんが、少なくも、JWSTに無事バトン・タッチは、させてあげたい...。
 個人的には、この、人類が今だ嘗て見る事の無かった、鮮明な宇宙の姿を、我々に提供してくれたHSTに、大分愛着が有ります。地球外初の世界文化遺産に登録出来ないか、とも思うのですが、それは難しいですね。余りに維持にコストがかかりすぎ。シャトルで回収もまず無理。全長13mm、重量11tですからね...。ハッブルが空から消えるのは、一寸寂しいけれど...、孤独な宇宙空間で、黙々と撮影を続けてきたHST(及び其れを支えた関係者各位)に、感謝。
 ...構成する星の一粒一粒まで見分けられそうな、銀河NGC3370の画像...。この銀河の中にも、生物の住む星が、恐らく存在するでしょう。若しかしたら向こうからも、宇宙望遠鏡で、こちらを観ているかも...ね。

追記(2009年5月19日):2009年5月最後のサーヴィスミッションが行われ、HSTのカメラ・バッテリー等を交換。2014年まで寿命は延びる模様。これに伴いJWSTの打ち上げは2013年に延期された。

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*ハッブル:Edwin Powell Hubble(1889〜1953) 亜米利加の天文学者。宇宙が膨張している事を発見した。「遠い銀河ほど速い速度で後退している」と言うハッブルの法則がある。元弁護士さん。「ハッブルの法則」は天体の遠ざかる速さとその天体までの距離は正比例する、と言うものですが、ここで使われる比例定数を「ハッブル定数」と呼び、1Mpc(メガ・パーセク:≒326万光年)遠ざかる毎に後退速度が秒速で何km増加するかを表します。現在その値は、70〜75km/sec/Mpc辺りでは、と考えられている様です。このハッブル定数のより正確な値を求めると言う事が、HSTに科せられた重要なお仕事の一つ。何せ此れが解れば、宇宙の年齢が推定できますからね(宇宙の物質密度も分からないとダメなんですが...)
*ジェイムズ・ウエッブ:James Edwin Webb NASA第二代長官(1961〜1969)。アポロ計画の基礎を築く。当時から宇宙望遠鏡計画への支持を表明していた
*ISS:日・米・加・露及び欧州各国共同の実験・研究施設。地上≒400kmの周回軌道上にあり最大6名が滞在
*オリオン星雲:オリオン座の「三ツ星」の下方(南)「オリオンの剣(小三ツ星)」にある散光星雲。距離1600光年。双眼鏡でも確認できる。トラペジウム(不等辺四角形)と呼ばれる非常に高温な星の紫外線により光っている
*わし星雲:へび座に有る散光星雲。距離5000〜7000光年。非常に星を多産する領域。当星雲の「三本柱」の写真がHST撮影画像の人気No.1となった
*NGC3370:しし座にある渦巻銀河。距離9800万光年。1994年超新星爆発が観測された
*超新星爆発:太陽の8倍以上の質量を持つ星が最期を迎える時に起こす現象。銀河全体の明るさに匹敵する程に輝く場合も有る。この時鉄より重い元素が作られ飛散した物質はやがて新しい星の材料となる
*M番号:M42とかM16の「M」及びその後に続く数字は、仏蘭西の天文学者シャルル・メシエ(1730〜1817)が、熱心に観測していた彗星と見間違え易い星雲・星団などを予めリストアップした「メシエ・カタログ」に記載された天体を表すもの。他に、NGC(ニュー・ジェネラル・カタログ)・IC(インデックス・カタログ)番号がある。因みにオリオン星雲M42はNGC1976
*ラグランジュ点:主天体(この場合太陽)の周囲を従天体(この場合地球)が公転する場合、従天体と共に微少質量の天体(この場合JWST)が、主天体の周囲を、従天体と同じ周期で安定して公転できる、主従2天体の作る重力場と遠心力とが釣合ったポイント。L1〜L5の五箇所ある。L1・L2・L3は、主従二天体を結ぶ直線上にあり(L1は主従2天体の間、L2は従天体の外側、L3は主天体の外側)、L4・L5は主従2天体を結ぶ線を底辺とする正三角形の頂点に位置する。L4・L5が最も安定
*宇宙の深淵:遥かに遠い天体の姿を見ると言うことは、その天体の遠い過去の姿を見ていることになります。例えば地球から230万光年離れた有名な「アンドロメダ銀河(M31)」を貴方が望遠鏡で見たとすると、アンドロメダ銀河から地球まで光が届くのに230万年かかるのですから(一光年は光が進むのに一年かかる距離(≒9兆4600億km))、貴方の目にそそぎ込まれるその光は、アンドロメダ銀河を230万年前に離れた光。詰り貴方は、アンドロメダ銀河の230万年前の姿を見ていると言うことになる訳です。「ウルトラ・ディープ・フィールド」には≒130億光年程の距離にある銀河も写っているので、137億年程と考えられている宇宙の年齢から換算すると、宇宙誕生から数億年の頃の姿となる訳です。
余談ですが、アンドロメダ銀河と我々の住む銀河は接近し合っており、≒30億年後には衝突すると考えられています。銀河同士の衝突或いはニアミスは左程珍しいものではなく、HSTの画像にも多く含まれています。壮観です

'06 2/28 寒椿
寒椿  メジロ達が、このカンツバキの花の蜜を求め、公園や住宅街を訪れています。「ツーイ ツーイ」と細い澄だ声を残し、緑地や住宅街を飛びすぎる小柄な渋めの黄緑の影を、皆さんも見た覚えが有ると思います。あれがメジロですが、彼女ら彼らの好きなこのカンツバキは、例年、十二月から三月くらいまで、次々開花し、コンスタントにこのメジロや同席する事も多いウグイスに食事を提供し、彼女彼等に花粉媒介をしてもらっている訳ですが、今冬のこの寒さ、流石のカンツバキさんも幾ら名前に「寒」が付くとは言っても、やはりきつかったのでしょうか、全体にやや花が少なかった様に思います。やっとこの二月の半ば辺りから花が増え始めた様な感じを受けるのですが、カンツバキの全てがそうであったのか、偶々(たまたま)僕の目にする個体達がそうであっただけなのか、余り注意していなかったので、不明ですけれど...。
 ウメの花の蜜も、カンツバキと並んで、メジロに好まれ、晩冬から早春にかけては、良く彼ら彼女等の姿で梅林や庭の未だ冬枯れた木々が賑わいます。が、此方のお梅さんも、開花が遅れ気味。此方は各地域、場所にも寄りますが、一週間から三週間程度遅れが目立つ様です。ご近所の梅林(こじんまりとしたものですが)も、先週辺り梅まつりが行われましたが、失礼ながら、一寸寒々しい雰囲気...。
 フクジュソウやらスイセンやら、各地の花々の開花の知らせも、例年より遅れている、と言う言葉が多く聞かれるので、僕が感じたカンツバキの開花の全体的な遅さも、やはり今冬の厳しき寒さの影響があった事は、否定できない様にも思われます。気象の一寸(一寸じゃないか)した変化が、植物の開花や実の成熟等の生理に影響を及ぼし、その影響が、植物に依存する動物達にも波及すると言うのが、ご近所の比較的マイクロな生態系でも感じられます。
 カンツバキの花の遅かった理由、それがこの例年にない寒〜い冬と言う気象の影響なのかはたまた偶々なのか、判然とはしませんが、何れにしろ寒い盛りの時期、メジロやウグイス達は、少なくもこの辺りでは食事が少なかった訳で、お気の毒。庭に蜜柑でも置いてあげれば良かったな...。でも、何故かこの冬、蜜柑買わなかったんだよな...。

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*カンツバキ:Camellia sasanqua cv. Fujikoana ツバキ科ツバキ属の常緑中低木。「ツバキ」と付いていますが、サザンカの園芸品種と考えられている
*メジロ:Zosterops japonica スズメ目メジロ科 「目白」。全国に広く分布。東京辺りでは夏場は低山、冬場は低地・市街地等へと移動して生活(漂鳥(ひょうちょう))。この時期は数羽の群れで行動する事が多い。姿・声が美しい為密猟が絶えない(飼育には知事の許可が必要。しかも一世帯一羽まで)
*ウグイス:Cettia diphone スズメ目ウグイス科 全国に分布。地域に依るが、メジロ同様夏は山地、冬は低地等へ移動する場合が多く、ここ多摩地区では冬場から春先にかけて見られる。この時期は「チャッ チャッ」と鋭い声で鳴く(笹鳴き)
*野鳥の飼育:現在日本産の野鳥で飼育が認められているのは、メジロとホオジロの2種のみです。飼育には都道府県知事の許可が必要で、又各種一世帯一羽までの制限が付きます。自治体によってはメジロのみ許可或いは2種ともに不許可と言う場合もあります。外国産(輸入)の個体には飼育制限がない為、密猟個体を「輸入した」と偽るケースも多いと聞く

'06 1/24 温暖化・寒冷化-温暖化の本質
 寒〜いですね...。東京も久しぶりの降雪・積雪で、雪掻きで腰痛いです...(雪国の方のご苦労が僅かですが偲ばれます)。「何だよこの寒さはよ〜。温暖化じゃねぇーのかよ〜」との声も聞えそうですが、日本上空を流れる偏西風の蛇行(偏西風波動)が、例年よりも何らかの原因で南に下がり、極地方の寒冷な空気が列島上空に入りこみ易くなった為の寒さの様です。でも、先ごろまでの寒さは峠を越したようです。暫らく前と気温自体は同じなのに、芯の部分で感じる寒さは若干和らいできているのを感じます。身体が慣れてきただけか?...。何れにしろ、もう冬も半(なか)ばです。もう少し頑張りましょう。個人的にはまだ冬の寒さを楽しみたい気分なんですけれどね...。コートを生まれてはじめて買ったので...。もう何年も前から、「コート欲しいなぁ...」と思っていたのですが、なかなか気に入っいるもの(N3Bと言うミリタリーなコート)が見付からなかったり、経済的或いは収納スペースの問題やらで踏ん切りがつかず、何時も先送りとなっていたのですが、今冬の寒さに「もう辛抱堪(たま)らん」と終に決意。アメ横まで行ってやっと希望のモデル・サイズ・カラーのコートをゲットしました。なので、もう一寸寒さを楽しみたい気分なのです。この寒波や其れに伴(ともな)う大雪で困っておられる方々には、誠に持って申し訳ないのですが、もう一寸この寒い冬を、楽しみたいのです...個人的にはね...。
 話が逸れましたね...。この寒さです。「温暖化なのに寒いじゃね〜か〜」と、先程書きましたが、温暖化、と言っても、氷期と間氷期が数万年ごとに繰りかえす事により起こる温暖化ではなく、二酸化炭素等の所謂温室効果ガスの増加が原因とされる、人為的な温暖化のことですが、この温暖化に伴う、地域的な寒冷化と言うものも考えられている様です。
 中米メキシコ湾から、北米大陸東岸を通り、北欧スカンジナビア半島沿岸に至る、メキシコ湾流と呼ばれる大きな暖流があります。この暖流が、熱帯地域で吸収した熱を北大西洋へと運ぶ為、ヨーロッパは高緯度に有る割には比較的温暖であると言われています。ところが、温暖化が進むと、このメキシコ湾流の流れが阻害され、北半球は寒冷化する可能性が考えられるのだそうです。
 その、温暖化による寒冷化、のメカニズムはと言うと...。
 メキシコ湾流は、暖かく軽いので海面付近を北に向い、やがて北極海からの冷えた海水と接触する事により温度が下がり、比重が重くなる為下降して南へ帰る。この冷えて下降した海水を補う様に南から暖かい海水が流れ込み...と言う対流を行う事で、南の熱を北に伝えている訳です。が、温暖化が進むと降水量が増えたり、グリーンランドなどの氷河や氷床(ひょうしょう。巨大な大陸氷河)が融け、淡水が海に流れ込むことにより、海水の塩分濃度が低下。比重が小さくなる為、メキシコ湾流の沈み込みが弱まり、南からの暖流の流入が阻害され、結果北部ヨーロッパへのメキシコ湾流による熱の供給が低下し寒冷化(4〜5℃下がるとか)や降水量の低下などの気候の変化を生む...。と言うものです。これは飽くまで一つの説、仮説ですけれど。
 「温暖化による寒冷化?何其れ...」ですよね。でも、温暖化の本質は、温暖化による気候変動(及び海水面上昇)、なのです。地球が暖かくなることによって、場所・地域により、降水量や降雪量が増加したり或いは低下したり、台風・ハリケーン・サイクロン等の発生が増えたり、熱帯域の拡大と共に伝染病危険地帯が増えたり、海流の変化等により寒冷化したり、冷夏や厳冬等の気象の変化が起きたり等など、気候(或いは気象)が比較的短期間のうちに大きく変わり、其れに伴い人々の暮らしも当然大きく変わらざるを得なくなる可能性が考えられる、と言う事なのです(プラスに変わる場合も地域によってはあるかもしれませんが)。また、気候変化により気候に依存(いぞん)する多くの野生植物が絶滅し、また植物に依存する多くの野生動物の絶滅が起こるなどの影響も考えられます。温暖化による水温上昇で海水が膨張したり、氷河・氷床が溶ける等で海水面が上昇し、多くの土地(国土)が水没したり、塩水侵入による農業被害と言う影響も考えられます。温暖化は、あくまで、温暖化による気候変動(及び海水面上昇)、なのです。地球があったかぁ〜くなる、と言う事だけではないのです。
 「温暖化」という言い方をやめましょう。「温暖」という言葉の持つイメージは、一般にとても良いものですからね。切迫感がない。前にも書きましたが、「暖かくなるなら(温暖になるなら)良いじゃん」と、なりませんか?頭のどこかで。「気候変動(及び海水面上昇)」にしましょう。

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*偏西風:中緯度上空に常に吹く西風。低緯度(赤道付近)と高緯度(極地方)の間の対流による大気の流れが、地球自転による転向力(コリオリ・フォース)により西よりの風となる。南の温かい空気と北の冷たい空気との境目で、熱の輸送を行う為蛇行する
*転向力(てんこうりょく):コリオリ・フォース(コリオリ力)とも。回転する物体上で移動した時に、移動方向に対し直角の向きに移動速度に比例した大きさで働く力。赤道から北に向うと東向き詰り右方向に働く。南に向えば左向きとなる
*温室効果ガス:二酸化炭素・メタン・亜酸化窒素・六フッ化硫黄・ハイドロフルオロカーボン・パーフルオロカーボンの6種が削減対象とされている
*氷期・間氷期(かんひょうき):気候が寒冷で、極地や山地に氷河や氷床が広く拡大する期間を「氷河時代」とよび、その中で、「氷期」と呼ばれる寒冷で氷河が発達する時期と、「間氷期」と呼ばれる比較的温暖で氷河が減少する時期が、数万〜10万年毎に交互に繰り返す。現代は、≒200万年前に始まった氷河時代の、四回目の氷期が終わった後(終わってから≒1万年)の間氷期に当ると考えられている。今も氷河時代なのですよ
*温暖化・寒冷化:人為的なものではない「自然的」な温暖化・寒冷化と言うものも当然あります。十二世紀・十五世紀はやや気温は高め、十六世紀後半〜十九世紀終わりの気温は大分低く「少氷期」とも呼ばれています。江戸時代は寒かったぁ、らしいです。また二十世紀に入っても、1940年周辺はやや高め、1970年周辺はやや低めの気温となっています。「自然な」状態でも、全体に気温は緩やかな上下を繰返し、変化しています。ただ、1980年代以降の気温上昇は急激で、「これは人為的なものでは...」と考えられるようになった訳です
*メキシコ湾流:最大幅≒300海里(1海里(かいり)≒1,852kmなので≒555km) 厚さ(深さ)≒2km 流速≒4〜5ノット(1ノット≒時速1,852kmなので≒時速7.4〜9.3kmくらい) 流量≒毎秒9000万トン ガルフストリーム、北大西洋海流とも。黒潮と共に世界最大の海流
*黒潮:東シナ海から房総半島沖に流れる暖流。最大幅≒100km 厚さ≒2km 流速最大≒4ノット(≒時速7.4km) 流量
≒毎秒5000万トン 日本海流とも
*海水面上昇:海面上昇とも。2100年には9〜88cm上昇すると言われています(全体平均では≒50cm)
*植物の絶滅:温暖化による気候帯の移動速度は、年≒1.5〜5.5km。植物の種子散布等による移動速度は、年40m〜2kmと言われているので、とても気候の変化には追いつかない
*アメ横:JR山手線御徒町(おかちまち)駅から上野駅の高架下を中心に小さなお店が500店近くびっしりぎっしりと並ぶ商店街。食品から衣料まで豊富豊富

'06 1/1 賀正
千両
新年明けましてお目出とう御座います。昨年もまた、お世話になりました。本年も、どうぞ宜しくお願い致します。

 去年も、気の滅入るような事件・事故の多い一年でしたが...冬来りなば春遠からじ...。地球の新しい一公転が、良きものとなりますやうに...

 例年、この時期は、鬱(うつ)っぽく、可也暗〜く過ごす日々なのですが、今冬は何故か、元気。セロトニン豊富で、楽...。有り難い事です...。以前に比べると、ややのんびり目の生活パターンが、良いのかもしれません。
 写真のセンリョウ(Chloranthus glaber センリョウ科センリョウ属)は、庭の片隅(ホントに片隅)に、最近発見したものです。何時の間にやら育ち、結実していました。シロヤマブキの陰に、何やら育っているな...とは思っていたのですが、未だ実を付ける程に成長していなかった為、気付きませんでした...。お隣との境をなすブロック塀を挟み、5〜6m程向こう、お隣のお勝手口辺りに、良く見るとセンリョウの大きな株が有るのですが、そこから実が転がってくる事も考え難いので(塀は高さ1mはあるし...通風穴があるとはいえ地面からは少し高さが有るし...塀から発見したセンリョウまでは1.5mはあるし...)、毎日庭を訪れる鳥のフンに混じる種子から、発芽し育ったのか、若しくは、鳥がお隣から失敬してきた実を、家の庭で落っことしちゃったのでしょう。何れにしても、強いですね。見習いたいです。

本年の目標:昨年と同じ...(^-^;)

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*セロトニン:神経伝達物質のひとつ。体内のセロトニンの≒2%が中枢神経系に存在し、気分や意欲など、人の精神活動に大きく影響を与えていると考えられている(セロトニン仮説)。鬱病はストレス・日照不足等によるセロトニンの不足が大きな原因では、と言う説が現在主流
*センリョウ:Chloranthus glaber センリョウ科センリョウ属 東海・紀伊半島・四国・九州・沖縄・アジア東南部に分布。漢字で千両。名の似るマンリョウ(万両)はヤブコウジ科の小低木。因みに百両・十両も存在し、前者はカラタチバナの後者はヤブコウジの別名で、共に万両と同じヤブコウジ科の小低木

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