MYSTIC RHYTHMS

A FAREWELL TO KINGS PERMANENT WAVES MOVING PICTURES EXIT...STAGE LEFT

RUSH について

ラッシュはカナダはトロント出身の三人組プログレッシブ・ハード・ロック・バンド。ヨーロッパやカナダ、アメリカなどでは相当な人気者で、「ロックの殿堂」入りもしていますが、ここニッポンでは、一部を除き、一般的には無名です。
しかし、日本で人気が無いとはいえ、作品は全作発売されています。1974年のデビューですが、はっきり言いまして、バンドの中核であるドラム及び歌詞担当の二ール・パートがまだ参加していませんので、実質1975年のデヴューと言えると思います(個人的意見)。
このデヴューから暫くは、可也ハードかつ小難しい音楽で、且つまたヴォーカルのゲディ・リーが物凄いキンキン声なので、一寸一般向けとは申せませんが、その後、1980年以降の作品はハードさ小難しさも適度に残しつつ、ヴォーカルも穏やかになり可也、一般ロック・ファンの方々にも聴き易くなっていると思います。
ラッシュの音楽は、ハードで複雑で理屈っぽい、ものではあるのですが、そのメロディは親しみ易く、又決して深刻には陥らないオプティミズムを持ち合せていますので、あまり怖がらないで下さい。真面目で、前向きで、深い精神性を持ち、尚且つテクニカルなハード・ロックを味わえると思います。


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■MEMBERS
・GEDDY LEE(ゲディ・リー):ヴォーカル、ベース、ベース・ペダル、シンセサイザー 1953年生
ライヴでも歌いながらベース等何役もこなす。しかもベースは超一流。複雑でメロディアスなフレーズをヘヴィな音で聴かせてくれる。作曲担当。

・ALEX LIFESON(アレックス・ライフソン):ギター、ベース・ペダル 1953年生
三人中最も地味だが、そのカッティングの切れ味は抜群。ライヴでは一番目立つ(アクション&ギャグ)。作曲担当。

・NEIL PEART(ニール・パート(ピアト)):ドラム、パーカッション 1952年生
文学の範疇とも言えるような詞を書き、作品のコンセプト作りでも中心となる。唯一オリジナル・メンバーではないが、はっきり言ってバンドの中核(でも決して彼のワンマン・バンドではない)。ジャズ的センスとハード&ヘヴィな音の融合した超絶技巧ドラム。「哲人ドラマー」。

■ALBUM
RUSH 1974  ★
レッド・ツェッペリン直系とも言えるストレートなハード・ロック・サウンド。でもなかなかにドラマティック。ドラムはジョン・ラトジー。

FLY BY NIGHT 1975  ★★★
ニール登場。まだノリ勝負の雰囲気は残るも、組曲「バイ-トーア・アンド・ザ・スノー・ドッグ」が現われ、後の大作主義の萌芽が見られる。知性的複雑系ハード・ロック・バンドの誕生。第四のメンバーとも言われるプロデューサー、Terry Brownとの関係もここから。

CARESS OF STEEL 1975  ★★
アナログ盤片面全てを費やす大作「ザ・フォンテイン・オブ・ラムネス」が登場。欧州的湿っぽさが漂う作品。全体的には少々地味だが、暫く続くことになる壮大さとアグレッションの同居した独特の作風はここに生まれる。
この作品からアート・デザインをHugh Symeが担当する。

2112 1976  ★★★★★
初期の代表作。20分超の大作も小品も共に良い出来で最高傑作に推す方も多い。最もハード且つメタリックな作品。ここから全米ヒット・チャートの常連となり世界的バンドへ飛躍。
表題作「2112」はプログレ界に数ある大作ものの中でも屈指の名作。初期作品ならまず聴くべきアルバム。「ティアーズ」はもの悲しさが胸を打つ隠れ名曲。

ALL THE WORLD'S A STAGE (Live) 1976  ★★
彼らはスタジオ・アルバム四作発表毎にライヴ・アルバムを制作し、同時に音楽的に多少転換をして行くと言う傾向が見られるが、それはここから。

A FAREWELL TO KINGS 1977  ★★★★
この辺りからプログレ的部分が前面に強く出始め、彼らの世界が音的にも精神的にも深みを増して行く。英吉利録音と云う事もあってか、欧州プログレ的ウエット感と言う面では一番。彼らのバンドとしてのテーマ曲「クローサー・トゥ・ザ・ハート」収録。
ラストの「シグナスX-1 ブックI」と次作トップの曲は続き物となっているが、ニールはこの件で大分苦労した。

HEMISPHERES 1978  ★★★★
理性と感情、その戦いとより高い次元でのアウフヘーベンを描いた「シグナスX-1 ブックII」(18分超)を含む、最もプログレな作品。大作主義の頂点。超絶テク披露のインスト・ナンバー「ラ・ヴィラ・ストレンジアート」も見事。
私個人的には「サーカムスタンシズ」でのゲディのベースが素晴らしい。

PERMANENT WAVES 1980  ★★★★★
前作までの古代史発掘的大仰さが陰を潜め、楽曲はコンパクトになり格段に親しみ易さを増し大ヒット(全米3位、全英4位)。でも詞はリアルになり更に鋭さを増す。
初期の感性先行の様なスタイルと、後の深み重視なスタイルとのバランスが、又ドラマティックな組曲と、シングル・カットも可能なキャッチィな曲とのバランスが微妙に美しく、個人的には最高傑作。
初めてラッシュを聴く方には、この作品か次作をお薦めする。この辺りからならば、ハード且つ複雑な古い方へも、ポップ且つコンパクトな新しい方どちらの方向に向って行っても、余り違和感無く進んで行けると思う。
シングル・ヒットの「ザ・スピリット・オブ・レイディオ」、大曲としては最後ともいえる「ナチュラル・サイエンス」収録。私としては、ポップさと屈折感とテクニカルさが最高レヴェルで融合した第2曲「Freewill」がラッシュの楽曲としての最高傑作だ。

MOVING PICTURES 1981  ★★★★★
彼らの最高傑作に推される事の多い作品(全米3位、全英3位)。より深みを増した詞と音が彼らのアーティストとしての成長を如実に表している。三人共にそのプレイの充実度は非常に高く、演奏をじっくり味わうには最適かもしれない。イキフン的には最もダーク&ヘヴィ。
ハード系インストゥルメンタル・ナンバー屈指の名曲「YYZ」、彼ら随一のポップ・ナンバー「ライムライト」収録。

EXIT...STAGE LEFT (Live) 1981  ★★★★
複雑且つ高度な演奏力を必要とする楽曲を、見事にステージで再現しているライヴの傑作。ベスト盤的選曲もナイス。演奏はスタジオ盤に比し若干スロー・テンポだが、超テクニカルな事がよく判る。
デビュー以来のアルバムを全てコレクションしているとジャケットでも楽しめる。

SIGNALS 1982  ★★★★
シンセが可也前面に出始め、全体に無機的雰囲気が強まる。でも楽曲は更にコンパクトに又シンプルになって行く。ヴォーカルはシャウトを押さえたスタイルとなり、聴き易くなったと言える。アレックスのギターはソロ演奏よりもバッキングに比重が移り、見事なまでに空間を構築して行く。ニールの目は近未来の人間と社会に向けられる。
この辺りから、同じ三人組のザ・ポリスを意識している感が出始める。

GRACE UNDER PRESSURE 1984  ★★★
明るい雰囲気が何処か常に漂う彼らの作品の中で最もシリアスでダークな作品。ペシミスティックなムードは彼らにしては珍しい。2nd以来のプロデューサー、テリーと袂を分かち、何かを変えようと模索している姿が見える。
この当時のツアーで来日(武道館行った)。其れ以降来ていない。

POWER WINDOWS 1985  ★★★★★
前作とは打って変って明るく親しみ易い雰囲気に溢れる。ニールの詞は現実世界をときにアイロニカルにときにシニカルに描く。でも同時に人間を人生を又世界を信じ愛情を持って描いてもゆく。
この辺りから音の輪郭がシャープになりヘヴィさは薄れて行く。
ハード・ロック、メタル、プログレ等と言う、重くて暗そぉ〜な音楽は苦手と言う方には、これがお薦め。軽快で躍動的。適度にハードでポップなサウンドが堪能できます。
原爆投下のあの8月の日を、歴史の転換点と捉える「マンハッタン・プロジェクト」はじめ歌詞はシリアスだが、楽曲は非常に親しみやすい。当サイト名は本作最終曲から頂いた。

HOLD YOUR FIRE 1987  ★★★★
可也ゴージャスな音像。ポップと言う面では頂点的。詞も解り易い(別に難解な詞では本来ないが)。でも作り込まれ少々「人間味」の薄れたサウンドかも。でも反面ゲディの歌唱は何時になく情感豊か。「タイム・スタンド・スティル」の歌詞は、オジサンには涙が出るよ。

A SHOW OF HANNDS (Live) 1988  ★★
「三ばか大将」のテーマで始まる「シンセ時代」のライヴ・アルバム。曲自体は以前よりもシンプルになるも、シンセの比重が増えた分ゲディの演奏は複雑になる。それをこなしているのが凄い。
*三ばか大将(The Three Stooges):1960年代日本でも放映され大人気だったUSA産おバカコメディ

PRESTO 1989  ★★
「シンセ時代」の反動か大分とシンプルになる。全体に大人っぽく落ち着いた雰囲気。ニールが「レッド・タイド」で環境問題を詞う。
この辺りになるともう普通の「ロック」として充分聴けるので、ハードなのやヘヴィなのは苦手、と仰る方にも違和感なく受け入れられると思う。私の様なメタル馬鹿のメタル耳にははっきり言って物足りないが―。

ROLL THE BONES 1991  ★★★
今度は又元気な雰囲気。「ヘレシー」で東欧共産主義崩壊をニールは少し違った目で語る。前作同様一般的ロック・ファンの方にも全く違和感はないと思う(全米3位、全英10位)。
表題作でラップが出て来てビックリ。「チャンスが有るならものにしろ。サイコロを振るがいい。自分を信じて賭けるがいい。Roll The Bones!」

COUNTERPARTS 1993  未聴

TEST FOR ECHO 1996  未聴

DIFFERENT STAGES (Live) 1998  未聴

VAPOR TRAILS 2002  未聴

FEEDBACK 2004  未聴

SNAKES & ARROWS 2007  未聴

CLOCKWORK ANGELS 2012  未聴

ベスト盤
CHRONICLES 1990  ★★★
デビューから1990年までを大まかに見るには良いかも。

RETROSPECTIVE I 1974-1980 1997  ★★★
ハード&複雑系初期作品を概観するのには便利。

RETROSPECTIVE II 1981-1987 1997  ★★★
ポップ&コンパクトな時期を概観するのには便利。

RETROSPECTIVE III 1989-2008 2009  ★★
「Presto」以降の作品から。DVD付。

THE SPIRIT OF RADIO:GREATEST HITS 1974-1987 2003  ★★★
曲数は少ないがお手頃かも。
(ベスト盤は収録曲のみから判断)

トリビュート
WORKING MAN(HR/HM系ミュージシャンによる) 1996  ★★
ラッシュからの影響を公言するDream Theaterのメンバー他技巧派ハード&ヘヴィ系ミュージシャン大集合(ビリー・シーン、ジェイムズ・マーフィーマイケル・ロメオ、ディーン・カストロノヴォ等々)。オリジナルよりは大分ハード&ヘヴィ。選曲グッド。
へヴィ系・テクニカル系好きの方に限れば星★★★★

RED STAR(デス・メタル系ミュージシャンによる) 1999  未聴

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ビギナーお薦め度:
★ マニアと化したらどうぞ
★★ お気に召したら後から聴いて下さい
★★★ 良いと思います
★★★★ 是非聴いて下さい
★★★★★ 是が非にも最初にお聴き下さい


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