MISTIC RHYTHMS

Heavyじゃないsphere その一

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

へヴィな音楽ばかりを聴いている訳ではないのです。ここでは、「重い」「暗い」以外の音楽作品を紹介して行きたいと思います  Profile

BACH:ゴルトベルク変奏曲
PAGANINI:24のカプリース
渡辺典子:花の色
薬師丸ひろ子:メイン・テーマ、スロー・バラード、探偵物語
SEX PISTOLS:ネヴァーマインド・ザ・ボロックス<勝手にしやがれ!!>
荒井由実:ひこうき雲、14番目の月、ユーミン・ブランド
RENAISSANCE:アッシュズ・アー・バァーニング<燃ゆる灰>

§索引
§凡例


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

The Goldberg Variaitions BWV 988/Johann Sebastian Bach
ゴルトベルク変奏曲 BWV988/ヨハン・ゼバスティアン・バッハ 
order

グレン・グールド1955年デビュー盤 グレン・グールド.1981年盤

 実は私、本業(オンライン古本屋)とは別にバイト(副業・内職)をしています。フルタイムでは当然なく、月一で数日間程度のポスティング。地元(東京多摩)のタウン情報誌を配っています。国立(くにたち)に実店舗があった頃からですので、彼是十数年やっているでしょうか。JR沿線の、まだ結構に畑や雑木林の多い住宅地が担当エリアなので、四季折々、季節感をたっぷりと味わえる、基本的には楽しい仕事。ただ、小雨小雪は結構大変(本格的な雨雪の日はどうしても誌面がぬれてしまう為お休みなので問題ないのです)。左脇にタウン誌の束を抱え、誌面がぬれないように左手で傘を差しながら、一部づつ右手でポストに入れるのは案外としんどいもの。あと、花粉症&低血圧なのでスギ花粉飛散シーズンと夏場はちと辛いかな。冬は歩き回るうち身体が適度に温まってくるので、案外と心地好いのです。
 この、ポスティングのバイト時、歩きながら音楽を聴くのが常。以前メールマガジンにも書いたのですが、手持ちの携帯電話に音楽プレイヤー機能があることに気付いて以来、音楽がポスティングの友となっています。
 一寸ケータイで音楽が聴けることに気付くのが遅かったのですが、気付いて後、友として真っ先にマイクロSDに入れたのが、グレン・グールド(1932-1982)演奏による、今回紹介させて頂く、二つのゴルトベルク変奏曲でした。

 ゴルトベルク変奏曲(BWV988)は、正式タイトル「二段鍵盤のクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」。(ヨハン・ゼバスティアン)バッハが、ライプツィヒの聖トーマス教会音楽監督を務めていた1742年に「クラヴィーア練習曲集」の第4部として出版した作品。
 何故「ゴルトベルク変奏曲」と呼ばれているかと言うと、バッハが嘗(かつ)て、ザクセン選帝侯の宮廷楽長の称号を請願した折、尽力を願ったドレスデンのロシア大使、不眠症持ちのカイザーリンク伯爵に、眠れぬ夜、お抱えのチェンバロ奏者、ヨハン・ゴルトベルク少年に演奏させるための一曲を、と依頼され作曲したと言う話が伝わっている為です。しかしゴルトベルク少年、当時まだ14歳。高度な演奏技術を要するこの曲が弾けたのだろうか?又出版のときなんの献辞もないよ、など、このお話疑問視されています。
 まあ、通称の由来の真偽はそれとして、正式タイトルに有るように、この作品は、アリアと30の変奏より成っています。冒頭のアリアと終結のアリアの間に、変奏が挟まれると言う形。変奏は3曲づつ緩やかな組を成し3曲目に順次一度づつ音が上がるカノンを配置。真ん中の第16変奏は、飽き防止のため序曲を挿入し雰囲気を変える。最後の第30変奏はここだけクオドリベットという歌遊びを採用。「長いご無沙汰だったな」と「キャベツとカブ(つまらない物の例え.沢山の変奏のこと)が俺を追い出した」という俗謡二つを組合せ、そして「長いご無沙汰」のアリアへと続き、終曲。可也凝った複雑な構造。聴いているとそんな難しさなど微塵も感じさせない、心地好さなのですけれどね。
 このゴルトベルク変奏曲の演奏で代表的なものが、上にも名が出ている、加奈陀出身のピアニストのグレン・グールドによるもの。
 グールドは、チェンバロ演奏が普通、難解、長大だと言うレコード会社の反対を押し切ってデビュー作(モノラル.上左画像)としてこの曲をチョイス。それまでの、厳格・禁欲的といったお堅いイメージのバッハ像を打ち壊すようなその軽やかで個性豊かな演奏によりレコードは大ヒットし、この曲も一挙にメジャー化。そして26年後の'81年にデジタルで再録音(上右画像)。これを墓碑とするかのように、翌年脳卒中により急逝(享年五十)。
 彼の残した二枚の「ゴルトベルク」は、躍動的で、ロック或いはジャズにも通ずるようなスリリングさを持って駆け抜ける、23歳時の正に若々しいデビュー盤と、死の前年の、より深化し噛み締めるような、しっとりとした味わいのデジタル盤と、それぞれに異なる個性を持ち、どちらも何れ甲乙つけがたき名演。今もって、共にこの曲の代表的名盤とされています。
 「ゴルトベルク」で衝撃的にデビューし、死を予期したかのように最晩年に「ゴルトベルク」を遺したグールド。彼にとって、或いは彼のファンにとって、この曲は特別な存在であり、同時に「ゴルトベルク」にとっても、グールドは特別な存在となっています。 

 少し話は逸れるのですが、私は、ヘッドフォン(イヤフォン)で音楽を聴く場合、ヘヴィ・メタルでもクラシックでも、曲全体を楽しむ、メロディに身を浸す、雰囲気を楽しむ、等といった聴き方ではなく、高度な演奏技術・超絶技巧に身を浸す、という聴き方をすることが多い。よって携帯に楽曲を取込むとき、自然と高度な演奏技術が聴き取り易い独奏曲が多くなりました。ピアノ・ソナタや、チェンバロ、オルガン、無伴奏のヴァイオリンやチェロの曲など。音楽家は大好きなビッグ3、バッハ、ベートーヴェン、モーツァルトばかりとなりました(例外は、イル・ジャルディーノ・アルモニコの「四季」)。
 ポスティング時、音楽を聴くようになり始めた当初、上記ビッグ3、分隔てなく聴いていたのですが、何時の間にかモーツァルトと疎遠になり、バッハ、ベートーヴェンばかり聴くようになってしまいました。別にモーツァルトが嫌いになった訳ではないのです。そうではなく、どうも歩いている、という場面に、私の場合モーツァルトは合わないようなのです。軽快すぎる、のかなぁ。私の(ポスティングしながら)歩くペース或いはリズムと如何も今一つしっくり来ない。バッハ、ベートーヴェンのほうが馴染むよう。これを読んで下さっている奇特な方の中にも、散歩やジョギング時、音楽を聴いている方は多いと思いますが、どうなのでしょう、皆さんにもそんな相性みたいなものはあるのでしょうか?
 合う合わないと言えば、ポスティング時は独奏曲が妙にハマル。元来独奏曲が多いのではありますが、二人(ヴァイオリン・ソナタ)、四人(弦楽四重奏曲)またオーケストラ曲等、複数人の演奏形態の楽曲もそれなりには取込まれています。でも余り選択されない。上に書いた、高度な演奏技術に身を浸す、という聴き方を好むから、と言う理由とは又別に他の理由があるような気がします。ヴァイオリン・ソナタや弦楽四重奏曲も、可也演奏技術聴き取り易いし。それに、BGM的に聴き流しているような場合でも、独奏曲を選びがちだし。一人で歩いている所為でしょうかねぇ。演奏者或いは作曲者とシンクロしやすいのかも。

 話が少しどころではない逸れ方をしましたが、ゴルトベルク変奏曲、私のお葬式BGMはこれで決まりです。グールドの演奏で。でも、'55年と'81年とどっちにしよう...。どちらが好きかと言えば'55年だけれど、こっちは葬儀には一寸元気良すぎるから、'81年の方かな。

  '11 6/17

――――――――――――――――――――――――――――――――

参考:
・マリンネット東日本大震災義援金募集情報 http://www.marine.ne.jp/staff/shinsai/
・緊急災害時動物救援本部 http://www.jpc.or.jp/saigai/
・岩手県獣医師会 http://ivma.jp/
・宮城県獣医師会 http://miyaju.jp/
・仙台市獣医師会 http://www.svma.or.jp/
・福島県獣医師会 http://www.fva.or.jp/
・福島県動物救護本部 http://www.pref.fukushima.jp/eisei/saigai/kyuugoindex.htm
・茨城県獣医師会 http://www.ibajyuu.com/
・Google Animal Finder(動物消息情報) http://japan.animal-finder.appspot.com/
・msnペットサーチ(被災ペットを探す・引取る) http://eastjapaneq.jp.msn.com/petsearch
・福島第一原発警戒区域内被災動物救護緊急提言 http://freepets.jp/

――――――――――――――――――――――――――――――――

お気に入り度:♭♭♭♭♭  ビギナーお薦め度:♭♭♭♭
重度:♭ 硬度:♭ 暗度:♭ 技巧度:♭♭♭♭ 旋律度:♭♭♭ ポップ度:♭♭♭
〔グールドの日本盤アルバムは「ゴルトベルク」ではなく「ゴールドベルク」という読みになっている。因みにグールド最後の録音作品は、意外にもピアニストとしてのものではなく、指揮者としてのワーグナーの「ジークフリート牧歌」('82年9月)。

スコット・ロス1985年盤 中野振一郎1999年盤

今回はグールドのピアノ演奏盤のご紹介でしたが、「本来」のチェンバロ演奏盤では、スコット・ロス(R.I.P)による1985年4月1日カナダ、オタワ大学でのLive盤(上左画像)と中野振一郎氏による、1999年10月14-17日&19-21日牧丘町民文化ホールでのピリオド楽器(作曲当時に使用されていた楽器.古楽器・オリジナル楽器とも)演奏によるもの(上右画像)。速めテンポで軽やかな生命感溢れるロス、しっとり落着いた中野氏。深夜寝る前なら中野さんかな。
番外としては、グールドのデビュー盤演奏を徹底的に解析したコンピュータ・ソフト「Zenph(ゼンフ)」を用いて自動演奏ピアノ(YAMAHAディスクラヴィア)に再現させた盤(下)。

2006年ゼンフ自動演奏盤

賛否有りますが、あの名演をステレオで再現したらどんな感じ?という興味は満たしてくれるし、一つの試みとして面白い。レコーディングを楽しんだ(と思う)ご本人も喜びはしないでしょうが面白がってはくれそう(な気がする)。ただ、あくまで一つの「試み」で、それ以上でもそれ以下でもない、かな。でも、自動演奏ピアノはすごいですね。それと知ってご本人演奏盤と聴き比べれば、機械だな...と思いますが、知らなかったならば、椅子も軋ませずハミングもしない普通のピアニストの演奏と思いますね〕

*ヨハン・ゴルトベルク(1727-1756):バッハの長男ヴィルヘルム・フリーデマンの弟子でありバッハ自身も短期間演奏の手ほどきをした。不眠症の伯爵が眠れぬとき隣室でチェンバロを弾いていたそうな
*ヘルマン・カール・フォン・カイザーリンク伯爵(1696-1764):ザクセン選定候領首都ドレスデン(現ザクセン州州都)駐在のロシア大使
*ザクセン選帝侯:神聖ローマ帝国の領邦、ザクセン選定候領(後のザクセン王国)を治めた。選帝侯は神聖ローマ皇帝に対する選挙権を有する諸侯
*ライプツィヒ:現ザクセン州最大の都市。バッハは1723年この地にある聖トーマス教会の音楽監督(トーマスカントル)に就任すると同時にライプツィヒ市の音楽監督にも就任した(その他学生中心のコレギウム・ムジクム(音楽愛好者の団体)の指揮・指導も行った)。この時代の代表曲としては他に、マタイ受難曲(BWV244)、ミサ曲ロ短調(BWV232)、平均律クラヴィーア曲集(第二巻)、クラヴィーア協奏曲、多くのカンタータ(オーケストラ伴奏付の声楽曲)などがある
*クラヴィチェンバロ:チェンバロ(ハープシコード)のこと。因みにピアノの語源は「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(弱い音と強い音の出るチェンバロ)」
*カノン(canon):一つのメロディを同じ或いは異なる高さで模倣しながら追いかけて行く様式。輪唱。フーガに似るが、フーガは元のメロディ(主題)以外に自由が許されるがカノンは厳密な模倣が求められる
*序曲:一般にオペラ、組曲などの冒頭に置かれ導入の役割を果たす器楽曲。演奏会用の独立したものも有る
*クオドリベット(quodlibet):複数の曲(民謡・流行歌など)を即興的に組み合わせて歌う曲
*グレン・グールド(1932-1982):加奈陀はトロントの生まれ。'55年にレコード・デビュー。'64年にコンサート活動から外れスタジオ録音と放送媒体のみでの活動となる。'82年脳卒中のため急逝。あらゆる面で超個性的なので好みは分かれますが、彼の作品はバッハの多くのクラヴィーア曲(オルガン以外の鍵盤楽曲)演奏のスタンダードとされており、ファンは今も非常に多い

24 Caprices Op. 1/Niccolo Paganini
24のカプリース(奇想曲) Op.1/ニコロ・パガニーニ 
order

アレクサンドル・マルコフ1989年盤 イツァーク・パールマン1972年盤 サルヴァトーレ・アッカルド1977年盤 ルッジェーロ・リッチ1950年盤

 「北の離れ(2008年5月分)」にも書きましたが、現在、極私的に、「クラシック(音楽)・ムーヴメント」の真っ只中。このムーヴメント、空前絶後、前代未聞の規模。
 とは言っても、CDは一枚も購入しておりません。全て、図書館(在住及び相互利用可能な近隣自治体の)レンタルと言う、音楽著作権者及び音楽業界の方々にすれば、罰当たりな野郎です。でも、好きなのですよ、クラシック。その熱い想いに免じ、許してやってください。
 ...でも、この、クラシックに対するこの熱い想い、何時からか...。結構と言うか、つい最近なのですよ、「クラシック、好きです」と、自然に口から発するようになったのは。二十代の頃から、多少は聴いてはおりましたが、あくまで、愛するHR/HMに大きな影響を与えた音楽は如何なるものか、と言う謂わば探究心が中心。ベートーヴェンの交響曲など、一部好きで聴いていたものはありますが、「ベートーヴェンの交響曲」が好きなのであって、その想いは、クラシック音楽全体に及ぶものではありませなんだ(今でも、可也古典派〜初期ロマン派辺りに偏り、そんなに幅広く及んでおりませんが(オペラも全く聴いておらんし))。それが、どうしたことやら、この熱の帯びよう。本年四月後半辺りから現在までに、≒90枚のアルバムをレンタルし、聴き捲くっております。

 レンタルしたCDのリストを見ると、クラシックのレンタル・ラッシュの始まる直前に、へヴィ・メタル・ギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーンの、「LIVE IN LENINGRAD:TRIAL BY FIRE」を借りています。彼イングヴェイは根っからのクラシック好きで、このライヴでも、随所にクラシックの名曲のフレーズの数々を織り交ぜて、ギターを弾き捲くっています。このイングヴェイが愛してやまないのが、19世紀ロマン派と呼ばれる時代の初期に活躍したヴァイオリニスト(作曲家でもある)、ニコロ・パガニーニ。そのヴァイオリンの「鬼神」とも呼ばれるパガニーニが、自身の超絶技巧を余すところなく、これでもかと、押し込めた作品が、この「24のカプリース」。イングヴェイのライヴを聴いているうちに、そのクラシカルなプレイに触発され、大分以前にレンタルしたこのアルバムを聴き返すうち、嵌ってしまったのでしょうね。そこから、空前の「クラシック・ムーヴメント」が勃発したのです。
 このムーヴメントの御蔭で、私の狭い精神世界が、一部にせよ少し拡がりました。またCDをレンタルする為に、チャリで遠い図書館まで出掛けるのも、鬱気を希釈するのに大分助かりました。そういう意味でこの作品に、結構私、感謝しております。

 その感謝の対象「24のカプリース」。「彼は悪魔に魂を売り渡してヴァイオリンの腕を手に入れたのだ」と、当時の聴衆に言わしめたほどのヴィルトゥオーソ(名演奏家。スーパー・プレイヤー)、ニコロ・パガニーニ(1782-1840)が残した無伴奏ヴァイオリン曲。シューベルトは、彼のライヴを見るため家財道具を売り払い、当時弱冠二十歳のリストは彼のプレイに触れ、「俺はピアノのパガニーニになったる!」と腕を磨き、シューマンは彼のプレイを見て法律家の道を捨て音楽の道を選んだ...との数々の逸話も残す、当時のスター、パガニーニの演奏技術をぎゅうぎゅうと押込め且つ美しく仕上げられた逸品。最長でも6分一寸、多くは2〜3分台の短い24曲の集合体。練習曲的ですが、ショパンの「練習曲」或いはリストの「超絶技巧練習曲」同様、鑑賞対象の作品として十二分に完成・成立しています。HR/HMに染まっている私なんぞは、ギター・ソロの長〜い奴、的な聴き方をしたりしています。ヴァイオリン技法など全く存じ上げない私ですが、全く違和感なく、その超絶技巧の暗黒世界にどっぷりと浸れます。

 パガニーニの作品は、彼の秘密主義もあり、多くは伝わっておりません。が、彼が同時代或いは後の時代に与えた影響は大きく、前述のリストは、「パガニーニによる超絶技巧練習曲」及び「パガニーニによる大練習曲」を、シューマンは「パガニーニのカプリースによる練習曲作品3」及び同作品10を其々、この作品に基づき作編曲し残しています。また、シューマンは有名な「謝肉祭」中にも、「パガニーニ」と題された小曲を残しています。その他、多くの音楽家が、彼の作品にインスパイアされた作品を残しています(ブラームス(1833-1897)の「パガニーニの主題による変奏曲」、ラフマニノフ(1873-1943)の「パガニーニの主題による狂詩曲」など)が、20世紀にも、前述のイングヴェイ・マルムスティーン以外でもその影響はみられ、ANGRA(アングラ)と言う、へヴィ・メタル・バンドがデビュー作中のタイトル・ナンバーで、このカプリースの24番をモチーフに、ギター・ソロを展開しています(ストリート・チルドレンをテーマにした「ANGELS CRY」)。
 この作品を聴いて頂ければ、上記のように、時代を超え、多くのアーティストに刺激を与え続けている理由が、お分かり頂けると思います。超絶なる技巧を、見せびらかすかのように押し込んで、自己陶酔していると言って言えない事はなさそうですが、その正に鬼気迫る壮絶な緊張感が生み出す、蒼褪めた月光のような美。それは、無類のもの。「天才と良い人は両立しない」と言う格言(?)を地で行くような、相当な変人だったと伝えられるニコロさんですが、只者ではない、全ての雑音を封じて文句を言わせない凄みが、発せらっれています。グレイト。

  '08 7/19

――――――――――――――――――――――――――――――――

お気に入り度:♭♭♭♭  ビギナーお薦め度:♭♭♭
重度:♭♭ 硬度:♭♭ 暗度:♭♭♭ 技巧度:♭♭♭♭♭ 旋律度:♭♭♭ ポップ度:♭♭♭
〔左画像は、Alexander Markov(アレクサンドル・マルコフ)によるLIVE盤(1989年5月3日イタリア録音)。同音源でDVDもリリースされている。中左画像は、イツァーク・パールマンによる1972年1月10-12日ロンドンでの録音盤、中右画像は「現代のパガニーニ」サルヴァトーレ・アッカルドによる1977年5月ミュンヘンでの録音盤。なお右端画像は同作品世界初録音(1947年)を成し遂げたルッジェーロ・リッチによる1950年録音盤。ライヴならでは、スリリングで緊迫感あるマルコフ、速さと技巧のパールマン、技巧・音色・歌、バランスの良いアッカルド、そして粗削りながらジムナスト(体操選手)の俊敏な躍動を見るようなリッチ。
無伴奏と言うことで取っ付き難い感はありますが、同じ無伴奏のバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」あたりに比せば、時代も下り、華やかでも有り、大分聴き易いと思います〕

*カプリース:「気紛れ」の意(伊太利亜語で"capriccio"、フランス語で"caprice")。一定の形式を持たない自由で軽快な器楽曲の小品
*アレクサンドル・マルコフ:1963年モスクワ生まれのヴァイオリニスト。1982年パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで1位なしの2位(実質優勝?)。この作品がデビュー盤。結構ロケンロールな方の様
*HR/HMに大きな影響...:DEEP PURPLERAINBOWのリッチー・ブラックモアや、ランディ・ローズイングヴェイ・マルムスティーン辺りを経由し、特にへヴィ・メタルに、色濃く、曲作りやソロ・パートのフレーズまた荘厳かつ芸術的「雰囲気」などに影響が見られる
*LIVE IN LENINGRAD:TRIAL BY FIRE:スウェーデン出身のヘヴィ・メタル・ギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーンのライヴ・アルバム。1989年1月ソビエト連邦で収録された。このライヴでパガニーニのヴァイオリン協奏曲第4番第1楽章を曲の冒頭で弾いている
*秘密主義:殆ど作品を出版せず、楽譜は全て自身で管理し、演奏会でも直前までオーケストラ団員には渡さず、終演後は即回収したとか。また、ただ一人の弟子にも十分には持てるものを伝えなかったようです
*ANGRA:'93年デビューの伯剌西爾出身人気バンド。ジャーマン系のメロディックなパワー・メタルだが、初期中心メンバー、アンドレ・マトス(vo)がクラシック好き(音楽学校で学んでもいる)だったこともあり、10万枚以上を売り上げたデビュー作では随所にクラシック音楽のフレーズが顔を覗かせる(オープニングはシューベルトの交響曲「未完成」)。因みにアングラとはブラジルの火の女神さま
*超絶技巧練習曲:フランツ・リスト作曲の12曲よりなるピアノ練習曲。初稿は15歳の頃(1826年頃)に完成されているが後二度改稿(1837年と1852年)されているので、この曲も「24のカプリース」の影響下にあると言えるかもしれません。「超絶」と訳される"transcendante"は「超越」の訳のほうが相応しいとか。
なお、ややこしいがこの「超絶技巧練習曲」と1840年出版の「パガニーニによる超絶技巧練習曲」は全く異なる曲。又更にややこしいが「パガニーニによる大練習曲 S.141」は1851年に「パガニーニによる超絶技巧練習曲 S.140」の改訂版として出版されたもの。
因みに、リストの超有名な「ラ・カンパネッラ」は上記「パガニーニによる超絶技巧練習曲 S.140」と「パガニーニによる大練習曲 S.141」の第3曲で(普通「ラ・カンパネッラ」と言えば後者の方を指す)、パガニーニの「ヴァイオリン協奏曲第2番」の終楽章を原曲にリストが編曲したもの
*天才と良い人は両立しない:ロック界では長年囁かれている。飽く迄俗説ですが...常識に囚われている人間に「普通」は超えられない...という意味では言えてるかも

HANANOIRO/NORIKO WATANABE '84
花の色/渡辺典子 order

TANTEIMONOGATARI・MAIN THEME・SLOW BALLAD/HIROKO YAKUSHIMARU '83・'84
探偵物語 メイン・テーマ スロー・バラード/薬師丸ひろ子 order
少年ケニヤ(渡辺典子) メイン・テーマ(薬師丸ひろ子) 探偵物語/薬師丸ひろ子
 このサイトで、所謂「アイドル」について書かれるのははじめての事だと思います。でもアイドルについて書く、と言って、このお二人の僕がファンであったと言う訳ではないのです。お二人の歌った上記四曲が当時から妙に胸に沁み、恋愛モノが大の苦手となった現在の僕ですが、時折無性に聴きたくなることがあるのです。
 上記の曲中、「探偵物語」と「メイン・テーマ」は、'83年、'84年に其々公開された、薬師丸ひろ子ちゃん主演の同名映画の主題歌でした。元来、女性アイドル(薬師丸ひろ子さんはアイドルだったんですよ)のレコード(CDではない)を集めたり、主演映画を観たり等という事には縁の薄い生粋(きっすい)のメタル小僧だった僕なのですが、当時、仲良くしてもらっていた友人(こちらは生粋のパンク小僧)が、薬師丸ひろ子ちゃんの大ファン。為に半ば強引に映画に付き合わされ、毎夏(何時も彼女の映画は夏公開だったように思います)薬師丸ひろ子ちゃんの映画を観る事になった訳です。そして、アイドル好きのその友人(松田聖子ちゃんの事も好きでしたね)に徐々に感化され、其れから数年、アイドルの歌をメタルや一般のロック音楽と同次元で聴けるようになりました。お蔭で、これらの歌と出会い、今も聴くことが出来ると言う訳です。有難う、友よ...!でも、映画の方は、折角彼が導いてくれたのですが、どうも印象が薄く後に残らず、其れっきりとなってしまいました...。映画上映中、その友人が小声で繰り出す、爆笑小ネタギャグばかり、印象に残って...。スミマセン...。
 「スロー・バラード」は、「メイン・テーマ」のBside。映画挿入歌です。「花の色」の方は、TV版「探偵物語」の主題歌。僕はこのドラマを観てはいないのですが、同じ角川映画の「三人娘」のひとり渡辺典子ちゃんが歌っていると言う事で、聴いてみたところ、気に入った、と言う事だろうと思います。当時はレコード店勤務と言う、非常に音楽的には恵まれた環境に居ましたので、気になる曲は聴き放題でした。
 ...小野小町の歌をモチーフにした、しっとりな「花の色」(作曲:財津和夫)。南佳孝氏の曲が絶品な、「メイン・テーマ」「スロー・バラード」。そして、空間的広がりを感じさせるストリングスが印象的な「探偵物語」と、この四曲、何れ劣らぬ名曲なのですが、ただ、「探偵物語」のタイトルが...。この名曲にこのタイトルは余りに、哀しい...。作曲者の大瀧詠一氏によると、元々は「海のスケッチ」というタイトルだったとか。詞の内容から言っても、こちらがベストかと(作詞者松本隆氏に同名曲(石川秀美ちゃん(懐かし...)歌唱)が有るから使えなかったのでしょうか)。

 最後に、「スロー・バラード」の、絶品な歌詞(松本隆氏)より一部引用...

  二人でいたって 一人は消えない
  孤独を足しても 愛にはならない

  何時かバーラードの 柔らかな和音のように
  そうね 肩寄せて生きれたら それでいい

  '06 1/17

――――――――――――――――――――――――――――――――

お気に入り度:♭♭♭  ビギナーお薦め度:♭♭♭♭
重度:♭ 硬度:♭ 暗度:♭♭ 技巧度:♭ 旋律度:♭♭♭♭ ポップ度:♭♭♭♭
〔渡辺さんは一寸地味でしたが、一番女優さんらしい雰囲気をお持ちでした。因みに僕は「角川3人娘」のもう一人、原田知世ちゃんのファンでした(^-^) ただ、知世ちゃんの当時(あくまで「当時」ですよ)の歌は、お世辞にも上手とは言えず...余り聴き込めませんでした...〕

*「探偵物語」 「メイン・テーマ」:前者との同時公開が原田知世ちゃん主演の「時をかける少女」、後者との同時上映が同じく知世ちゃん主演の「愛情物語」でした。大体上記友人と「探偵物語」を観に言ったのは、同時上映が「時をかける少女」だったからです。僕はこの「時をかける少女」が'72年に「タイム・トラベラー」と言うタイトルでNHKで放映された時からの大ファンだったのです(歳がバレル...)。小説(筒井康隆氏原作)も非常に好きでしたので、「如何違うかな...」という興味も有り、半ば渋々ではあったのですが、観に行った次第です
*小野小町の歌:はなのいろはうつりにけりないたづらにわがみよにふるながめせしまに(古今集)
*メイン・テーマ/スロー・バラード:前者は「スタンダード・ナンバー」のタイトルで南さんご本人が歌っています(歌詞違い)。後者は残念ながら現在リリースされているCDには収録がないようです(usedならあるかも order)。良い曲なんだけどなぁ...。歌詞がスローでノンビリでgood
*アイドル:当時の僕のアイドルと言えば、リッチー・ブラックモアマイケル・シェンカーアンガス・ヤング等でした。メタル小僧丸出し

NEVER MIND THE BOLLOCKS/SEX PISTOLS '77
ネヴァー・マインド・ザ・ボロックス/セックス・ピストルズ 
order
/td>
ネヴァー・マインド・ザ・ボロックス/セックス・ピストルズ 「何だこれ?」。彼等の曲、゛GOD SAVE THE QUEEN゛を初めて聞いた時の印象です。「何だこいつら?」。彼等の姿を、初めてVIDEOで観た時の印象です。投遣りな唄い方、忙(せわ)しないつんのめり感。穴だらけのシャツに安全ピン。そして何より、ロック・ミュージシャンに有るまじき短髪。美や芸術性を希求するロック、YESやらQUEENやらRAINBOWやらに憧れていた少年(私)にとっては、何もかもが異質。まともなギター・ソロもなく(失礼!でもジェフ・ベックやリッチー・ブラックモアを神様の様に思っていた少年(私)は当時そう思ったのです)、「ふざけてんのかコイツ等」と、マジに思ったものです。が、彼等の持つラジカルさ、反社会性には可也シンパシーを覚えていたので、ずっと気になる、相当気になる存在でした。が、当時はお金も無く(今も無く)、ほしくて堪らないHR/HMやプログレッシブ・ロックのアルバムが山ほどある為そちらが最優先。レンタル屋さんも当時はやっと出始めの頃で、遠くの街へ行かなければ無く、FMでエア・チェックをしたくも、彼等の母国で放送禁止をくらっていた為、滅多にかからずで、なかなかアルバムを聴く機会のないまま、歳月は過ぎ...。で、やっと最近、全編通して聞くことが出来ました(何年かかってるんだか...)。
 驚きました。余りにポップで。余りに親しみ易い音楽で。当時は何ともラジカルでアバンギャルドな音楽に聞えたのに...。スラッシュ・メタルやデス・メタル等、サウンド的には遥かに過激な音楽に親しんでいたメタル耳野郎ですから無理もないですか...。でも、気に入りましたね。POPに聞こえるのは時代の流れですが、そのギラギラ感、ラジカルさ。聴くほどに染み出てきます。ROCKの歴史に残る一枚、として米RollingStone誌で第二位に挙げられたのも宜(むべ)なるかな(一位はTHE BEATLESの「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」)...。巨大化し、複雑化し、そして産業化し始めたロック・ミュージック。其れに対するアンチテーゼとしての意味合いも持ったのがパンク・ムーヴメントだったと思うのですが、その激しい渦は、結局、ロック「産業」に、「パンク」と言う一つのスタイル・カテゴリを残しただけだったのでしょうか?(ソンな事はないか...)メタル以外をちゃんと聴いていないメタル馬鹿野郎なので良く解らないのですが、メタルは明かに影響を受けています。パンク後には、その疾走感や前のめり感、そして吐き捨てるようなヴォーカル・スタイルなどパンク前のスタイルとは明らかに異質なものが多く生まれています。
 彼らがパンクを生んだのでもなく、彼等がパンクを作った訳でもないですが、"PUNK"と言えば「ピストルズ」。パンクを知らないメタル馬鹿も、知らなくても文句無しに楽しめる、極上のロックン・ロール作品。'76年11月にシングル・デビューし、'78年1月に砕け散った彼らの残した唯一のオリジナル・アルバム。これを聴かずに死ねるか? ロック・ファンを自認するなら聴かなあきまへん。私の場合は可也遅すぎましたが...。
"No future, no future, no future, for you"♪

  '05 3/11

――――――――――――――――――――――――――――――――

お気に入り度:♭♭♭  ビギナーお薦め度:♭♭♭♭
重度:♭♭ 硬度:♭♭♭ 暗度:♭♭ 技巧度:♭♭ 旋律度:♭♭♭ ポップ度:♭♭♭♭
〔大英帝国の四人組。後にマネージャーとなるマルコム・マクラーレンが、自分のブティックの店員さんや常連のお客さんを集めて結成。結成から僅か2年半で消滅してしまいましたが、PUNK魂よ、永遠に...〕

*パンク・ムーヴメント:'70年代半ば頃ニューヨークで発火し、後ロンドンに飛び火したパンク・ロックが、'70年代後半ワールド・ワイドに大炎上した一大ムーヴメント。音楽に関して言えば、本来若者の不満や反抗をストレートに表現できる手段であったROCKが、矢鱈もったいぶり、矢鱈演奏も詞も小難しくなり、そして商業化・産業化し何やら遠い存在となったものへの反抗。そうして生まれた音楽が「パンク」(私見です)。当時、PINK FLOYDQUEEN等が目の敵にされてました(記憶が確かであれば...)。
*RollingStone誌の選ぶベスト・アルバム500('03年度)では、この作品は41位です。「第二位」というのは何処から得た何の情報なのか?...

HIKO-KI GUMO, THE 14th MOON, YUMING BRAND/YUMI ARAI '73〜'76
ひこうき雲、14番目の月、ユーミン・ブランド/荒井由美 
order
ひこうき雲 14番目の月 YUMING BRAND
 この3枚のアルバムを聴いていると言うよりは、この3枚の収録曲からチョイスして作った、自前のテープを聴いていると言った方が正確です。
 今でこそ、メタルなオヤジの僕ですが、十代後半から二十代前半頃迄は、メタルと平行してユーミンを良く聴いていました。当時は「松任谷」さんの方がメインで、「紅雀」「流線型'80」「OLIVE」「悲しいほどお天気」「時のないホテル」「SURF&SNOW」「水の中のASIAへ」「昨晩お会いしましょう」「PEARL PIERCE」「REINCARNATION」「VOYAGER」「NO SIDE」...と、完璧なコレクションでした。でも、何時しかメタル&プログレが細胞を満たし、ユーミンどころか、日本のアーティストは全く聴かぬようになってしまいました(オフ・コースも好きでしたが...)...。が、そんなメタル馬鹿な私も、ふと、ユーミンを聴きたくなる事があります。そうした時、何故か手に取るのが、「荒井」さん時代のテープ。ユーミン聴き捲くり時代は、8割方「松任谷」さん作品を聴いて居たのですのですが、何故か今(と言うか最近)聴きたくなるのは「荒井」さん時代の作品。"ひこうき雲""空と海の輝きに向けて""瞳を閉じて""あの日に帰りたい""翳りゆく部屋""晩夏(ひとりの季節)"などなど...。恋愛ものが苦手(歌でも映画でも)なので、あまりそうした雰囲気の曲は聴きませんが...。そうか、歳と共に恋愛ものが苦手になって来たからユーミンもオフ・コースも聴かんようになったんか...。そうか...。そうなのか...な?。「恋愛もの」ならいいが、恋愛そのものまで苦手になったらシャレにならんな...。
 ユーミン・ファンの方は、女性の方が多いと思われますが、矢張りその歌詞に共感を覚え、感情移入出来る、と言う要素が大きいのでしょうか。僕にとっても実は、彼女ユーミンの最大の魅力は、その「詩」なんです。ただ、「気持ち」や感情の描写ではなく、生活感たっぷりの言葉を用いながら、全く生活感のないその雰囲気、それと、何処となく漂う「郊外」のにほい...。ユーミンも僕と同じ東京郊外の育ちなので、そう感じるだけかもしれませんが、"ひこうき雲"を聴けば、聖蹟(せいせき)桜ヶ丘の丘が、"晩夏(ひとりの季節)"を聴けば八王子の山裾の町が思い浮かびます(よう知らんけど...)。そう言えば、「昨晩お会いしましょう」辺りから、だんだん郊外の匂いが薄まり、都会的な雰囲気が強くなって行ったような...。それも聴かんようになって行った原因かも...。
 フォーク・ソングが隆盛だった当時、ユーミンの音楽はどこか異質で、今聴けば、プロコル・ハルムやクラシックの影響も伺われ、確かに違うわ...と思うのですが、当時はユーミンの存在自体、なにか異質なものを感じました。異質と言うか、一寸違った世界の人...と言ったものを(妙にオシャレだし)...。ご本人もその辺り結構意識してた様ですが...。
 今、J-POPと呼ばれる音楽の直接的な基礎を築いたのは、荒井さんかも。

  '04 10/11

――――――――――――――――――――――――――――――――

お気に入り度:♭♭♭  ビギナーお薦め度:♭♭♭♭♭
重度:♭ 硬度:♭ 暗度:♭♭ 技巧度:♭ 旋律度:♭♭♭ ポップ度:♭♭♭♭♭
〔デビュー当時、魔女とか天才少女とか呼ばれたらしいですが、確かに。のちのケイト・ブッシュくらい衝撃的だったかも official

*聖蹟桜ヶ丘:東京都多摩市 「耳をすませば」でお馴染みの街。
*八王子:東京都八王子市 ユーミンはこの町の呉服屋さんのお嬢さん。西部に山を控える東京最大の市。
*プロコル・ハルム:'60〜'70年代に活躍した、英吉利のグループ。"青い影(A Whiter Shade of Pale)"は、絶対何処かで聴いてます。
*ケイト・ブッシュ:英吉利のミュージシャン "嵐が丘(Wuthering Heights)"はお馴染みと思います。その声、その歌、そのステージング全てが衝撃的でした。しかも可愛かったし。

ASHES ARE BURNING/RENAISSANCE '73
アッシュズ・アー・バァーニング/ルネッサンス 
order
燃ゆる灰(ルネッサンス) ルネッサンスは、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジの所謂「3大ロック・ギタリスト」が在籍していたTHE YARDBIRDS(ヤード・バーズ)の、キース・レルフ(vo)とジム・マッカーティ(ds)が結成したバンドです。ですが、このルネッサンスはアルバム2枚で解体。その後メンバーが全て変わって言わば「新生」ルネッサンスが誕生します。全て替わったと言っても基本的には同じバンドという、少しややこしいバンドです(実際にはギタリスト兼ソング・ライターのマイケル・ダンフォードが両者に関わっていますが、「新生」ルネッサンスには正式メンバーとしてはクレジットされていません。後に正式メンバーとなります)。
 この作品は「新生」ルネッサンスとしては2ndアルバムとなります。フォーク・トラッド・クラシックと、ロックの融合を見事に体現させた名盤と言えると思います。クラシック的整合感や緻密さと、フォーク・トラッド的牧歌性がバランス良く一体となっています。一応プログレッシブ・ロックと云うカテゴリィで語られる作品ですが、非常に親しみやすく且つ分かり易いので、プログレ入門盤として、一般的ロック・ファンやポップス・ファンの方々にもお薦め出来ます(此れで駄目ならご縁が無いということかもしれません。本当に...。其れくらい親しみ易い作品です)。プログレに有りがちな仰々しさや深刻さも無くはないですが、それ以上に明るさ、優雅さ、温もり等々を感じさせてくれます。プログレ・ファンの間では知らなきゃモグリと云われるほど有名ですが、一般的には知る人は少なく(少なくも僕の周囲では)、勿体無い...、と思い、拙い筆をとった次第です。魂をメタルに売渡した僕ですら感動します。言わんや美しき魂の持ち主たる人々の受ける感動は如何程か...。
 この作品は楽曲自体素晴らしいのですが、矢張り特筆すべきはアニー・ハズラムのヴォーカルでしょう。こんなに美しい歌声は聞いたことが有りませぬ。迦陵頻伽(かりょうびんが)の声はきっとこんなんだろうなぁ〜と、デス・メタル聴き捲くりオヤジが思わず聞惚れてしまいます。言わんや美しき楽を好まれる人々の耳には如何に響くか...。是非聴いて頂きたい。カーペンターズ等を好まれる方等には、相当効くと思います。クラシック・ヴォーカルのレッスンを受けているらしく、それらしき雰囲気も伝わります。
 ラストを飾るドラマティックな大作で、WISHBONE ASH(ウイッシュボーン・アッシュ)のギタリスト、アンディ・パウエルが、此れでもかと美しいソロで盛上げているのも、感動。

  '03 9/22

――――――――――――――――――――――――――――――――

お気に入り度:♭♭♭  ビギナーお薦め度:♭♭♭♭♭
重度:♭ 硬度:♭ 暗度:♭♭ 技巧度:♭♭♭♭ 旋律度:♭♭♭♭ ポップ度:♭♭♭♭
〔漁師の家出身なので"AT THE HARBOUR"にしんみり...(この曲はショートとロングの2ヴァージョン有るのでご注意)。イギリスのバンドです。因みにイギリス盤ジャケットではアニーは微笑み、他国盤(写真)ではアニーは険しい表情をしています。「微笑みアニー」の人気が高いですが、僕は「むっつりアニー」が好きです。何やら新たな音楽を作ろうとしている強い意思のようなものを感じませんか? official

*ヤード・バーズ:'60年代後半のバンド。歌よりも「バンド」で聴かせるのそのスタイルはCREAMやJEFF BECK GROUPそしてLED ZEPPELINを通じ現在のHR/HMに受け継がれている。AEROSMITHの"Train Kept A Rollin'"はこのバンドの曲ですよ(更なる原曲も有りますが)。
*カリョウビンガ:サンスクリット語のKalavinka。極楽浄土に住み聴けども飽きることが無いという程の美声の持ち主。美女の如き顔と鳥身で表される。妙音鳥。ギリシャ神話のセイレーン(サイレン)に当る?
*WISHBONE ASH:美しきツイン・リード・ギターを聞かせてくれるブリティッシュ・バンド。そのうち書きます。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

Heavyじゃないsphere Top  "Mystic Rhythms" Home