MYSTIC RHYTHMS

note4

 鴉鷺(あろ)
 帝国
 money!
 あんたと俺
 まったく!

note5

 時は偽らない -Titles-
 現象
 現象 2
 you
 月を見る者
 骸(むくろ)

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

note4

鴉鷺(あろ)

棺かつぐ鴉の葬列……
疑わざる彼らは
口々に花くわえ
口中に念仏となえ
野辺を行く……

枯田に弧鷺あり……
瞳に思想の火花あり……
疑うを知る彼は
その重き荷を
捨てることあたわず……
…………

鴉は鷺を罵り嘲り
鷺は鴉を蔑み憐れむ……

鴉は鷺を知ることあたわず……
鷺は鴉を理解することあたわず……
…………

葬列は細き道に去り
弧鷺はこうこうたる風の中
昂然と立ちつくす……

やがてすべてを
薄笑みうかべた夕闇が
塗りこめる……

 

 

 帝国

誰もが握手できるなんて
本気で思ってるのかい…
この世は善だと
思ってるのかい…
悪なんてものがあると
思ってるのかい… 悪があったとして それも本当の人間さ…
君は自分が正しいと
思ってるのかい…

悪くはない…
だけど押しつけないでくれ…

俺は自分の目で見たいし
自分の耳を信じたいし
自分の手で触れたいんだ…
「誰かさん」の手なんて借りたくない…

握手したくない奴もいれば
人を傷つけることだってある…
……

俺は君主だ
帝国の支配者だ…
「俺」と云う帝国のね…
でこの国は専守防衛
非侵略国家…

人に押しつけたりはしないさ…
どんなに正しいと思うことも
どんなにやさしい行為も
押しつけたとたん
ほら
正しくもやさしくもない…

 

 

money!

金!金!金!
寝ても覚めても金儲け…
あんたの大好きな金貨を
そのへらへらした口につめこんでやろうか…
汗のべっとりにじんだ
脂くさい金貨を…

綺麗なお店で
おいしいものを食べちらかして
綺麗な服着て
カッコイイ車を乗りまわし
反吐が出るような
ウソッぱちの家庭の幸福にニヤニヤしてる…

あんたの好きな車の排ガスを
あんたの肺腑につめこんでやろうか…
あんたの使い捨てに捨てまくったものたちを
あんたの胃の腑につめこんでやろうか…

あぁあぁ
でもあんたたちはキレイだよ…
何にも疑ってない…
素直に与えられたものを享受してるよ…
あんたたちの満足にウソはない…
あんたたちの頭とココロは一致してる…
本当にしあわせそうだ…

俺はすべてを疑ってかかる…
与えられたものに満足もできない…
だからいつでもやすらぐことがない…

おまけに俺のアタマとココロは
時々俺の中で戦争をおっぱじめる…
結局勝つのはいつでもココロ
畢竟 アタマは無力なもの…
それが俺を苦しめる…

でも俺はあんたたちをうらやましいとは思わない…
あんたたちは勝手に
生きるに必要なものを
何ひとつあがなえない灰の金貨を抱いて
飢(かつ)えたおれるがいい…
…だけど
他のいきもの達を巻ぞえにする権利は
誰にもないぜ…

たまには気をつけてみるんだね
自分の足が何をふみつけているか…

 

 

あんたと俺

あんたは少し
現実にどっぷりつかりすぎてる…
足元ばかり見てると
眼を悪くする…
ほらほら もうすぐ崖っぷち…

俺は少々
現実ばなれをしすぎてる…
遠い森や月ばかり
すっかり足元がおるすになってる…
生きるにゃお金もいるんだよ…

あんたは少し
本でも読むがいい…
多少は遠くを見るがいい…
そろばんづくでは
見えないものが多すぎる…

俺は少々
地に足つけるのが必要だ…
本を積み上げて
すっかり天国にのぼった気分…
あんまりうぬぼれちゃいけないよ…
……

あんたと俺は
結構いいコンビかもしれないね…

 

 

まったく!

まったく
腹立たしいほどに深い空だ…
この向こうに無数の星と
暗黒と生命をはらんでいるなんて…
まったく腹立たしい…
……

まったく
いやになるほどの人 人 人…
改札からビルから
はきだされる人 人 人…
このひとりひとりに
別々の人生があるなんて…
まったくいやになる…

しかしその殆どと
交差せづに終れるのは
なんという幸福…
まったく
ありがたい…
……

まったく
胸がわるくなるほどの家 窓 屋根の群れ…
このひとつひとつに
家庭が家族があるなんて…
まったく胸が悪くなる…
まったく一瞬にして
せめて半分消えまいものか…

その消える半分のうちに
自分がいても
それは
なおさらありがたい…

 

 

 

note5

時は偽らない -Titles-

妖精のブーツ
ひとりぼっちの烏
水の上の煙
失くした地平
空の南側…

王への訣別…

断崖への接近
丘の向こうはるか
毒蛇の中の雲雀の舌…

短き藁
賢者の言葉
青い風…

降下…

遠き教え
妄執
内なる静穏(せいおん)…

焦点
聖地…

星を見る者
欺く者
放浪者の狂詩曲
荒涼の野(や)…

破戒を齎す者…

小さな翼
罪無き流人…

「君は手にしいたものより多くのものを失う…」

闇への回帰
群れとの疾走
最後の傷…

風の中の塵…

11番目の刻(とき)…

断層線…

電気仕掛けの太陽
破砕
赤…

「時は偽らない…」

   ●heavy系rock音楽の 好きな曲やアルバムの
    タイトルを直訳・意訳して(正しいかどうかは定
    かではないです) 適当に並べたものです

 

 

現象

私や
私の見ているこの光景をつくっている原子は
いつか
どこかの見知らぬ星の光景をかたちづくり
それを見る者をも その思想や感情も
かやちづくっていたのだろう……
やがては
また見知らぬ星の光景をつくり
それを宿す瞳を
かたちづくるのだろう……
…………

そんな原子たちのかたちづくる
つかの間の現象としての私が
そしてお前が
こうして生まれ
出逢ったことを
一体だれに
感謝すればよいのだろう……
そして
私が或いはお前が
死に
永遠に消え去ってしまうことを
一体誰に
うらめばよいのだろう……

 

 

現象 2

永劫の闇を渡り
ひととき光の中で踊る…
喜び 歎き
憎しみ 愛す…
かすかな振動と波動を
他の存在へ伝え
再び放物線は
虚空に消える…
……

時間と
空間と
運動と
物質と…
そして自己の
そして他者の
存在
fate…

何処から?
そして何処へ?
そして何故に?…
……

新生児は黙し
髑髏は笑う…

   ◆fate:運命 宿命 死

 

 

you

塩ビ被覆のラインの向こう
お前と俺の間に
深い夜が横たわる…

お前の求めるものと
俺の求めるものの間に…
お前のつかもうとするものと
俺のつかもうとするものとの間に
深い闇が流れる…
……

お前の好きなもの
お前の愛するものを俺はいくつも知っている…

タペストリー
キャンバス
油絵具の匂い
ガレのランプ
海を照らす月
カンパニュラ
生まれた街
指輪の無い手
「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」…

俺の好きなもの
俺の愛するものを俺はひとつだけ知っている…
ひとつだけ
そう
ひとりだけ…

……

   ◆カンパニュラ:キキョウ科の花

 

 

月を見る者

私とあの人の見ているあなたを
光悦も シラーも ボッシュも
見ていたのですね…
ファラオも 項羽も コルテスも
見上げたのですね…
もしかしたらあの恐竜たちも
見上げたかもしれませんね…
でも
あなたから見ると
きっと 皆おなじに見えるのでしょうね…

森も 海洋も 大陸も
都市も あの人も…
今 あなたの青い光の中で眠っています…
どうか起こさないでやってください…

私はあなたのやさしさが
大好きです…

 

 

(むくろ)

幻?
そうかもしれない…
渇えた旅人が 泉の幻を見るように
疲れ果てた俺は お前の幻を 愛したのかもしれない…
でも 俺にとってお前は
まぎれもない 現身(うつしみ)だった…
手を伸ばせば 触れることのできる
楽しげに笑う ひとりの女だった…
しかし 気紛れな偶然は 容赦なく
俺の甘美な錯覚の衣を 引き剥いでゆく…
むきだしの心は 寒さに震えている…

お前への想い… お前のための涙も 願いも
すべて 時の岸辺にうちあげられ 朽ちてゆくのか…

帰らない時の重さに 圧しつぶされそうだ…
……

けれど 想いは変化こそすれ 滅びることはない…
歳月の車輪も けっして それを踏み砕くことはできない…

俺はまだ 冷たい夢の骸を抱きしめている…
息を吹きかえすことを 願って…

 

 

 

 

†・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・∽・†

 

modoru    note1,2,3    note6    note7